解説
産業廃棄物とは、廃棄物処理法第2条に定義される、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃プラスチック、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず、木くず、がれき類など20種類に分類されるものを指します。解体工事で発生する廃材は、家庭から出るゴミ(一般廃棄物)ではなく、事業者である解体業者が排出する産業廃棄物として扱われます。コンクリート、木材、鉄筋、瓦、石膏ボード、断熱材、配管類など、建物を構成していたほぼすべての素材が品目ごとに分別され、それぞれ許可された中間処理施設や最終処分場へ搬入されます。
関連法令・制度
廃棄物処理法では、産業廃棄物の処理責任は排出事業者にあると定められており、運搬や処分を委託する際は、許可業者と書面契約を結ぶこと、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付・保管することが義務付けられています。違反には5年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科されます。
空き家所有者にとっての意味
解体工事を依頼する所有者にとって、廃棄物の適正処理は業者選定の重要なポイントです。処分費用は廃材1トンあたり数千円〜2万円程度と幅があり、地域や品目によって異なります。木造30坪の解体で発生する廃材はおおむね30〜50トンに及び、廃棄物処理費だけで数十万円規模になります。不法投棄が発覚すると、発注者である所有者にも責任が及ぶ「措置命令」の対象となる場合があるため、許可証の提示やマニフェスト写しの受領を必ず確認しましょう。
よくある誤解・注意点
「業者に任せれば終わり」と思われがちですが、不法投棄事件では発注者にも撤去費用負担命令が出た判例があります。安すぎる見積もりや、処分場の名称を明示しない業者には注意が必要です。家庭内に残っていた家具などは、解体工事では一般廃棄物扱いとなり別途処分が必要です。
