解説
アスベスト(石綿)とは、天然に産出する繊維状の鉱物で、耐火性・断熱性・耐久性に優れることから、20世紀後半の建材に広く使用されました。吹付け材、保温材、スレート屋根、外壁サイディング、ビニル床タイル、けい酸カルシウム板などに含まれることがあります。微細な繊維を吸入することで中皮腫や肺がんなどの健康影響が判明し、2006年に労働安全衛生法施行令の改正により0.1重量%を超える石綿含有製品の製造・使用が禁止されました。2012年には全面禁止となっています。建物の解体・改修時には、含有調査と適切な飛散防止対策が法令で義務付けられています。
関連法令・制度
大気汚染防止法、石綿障害予防規則、建築基準法、廃棄物処理法など複数の法令で規制されています。2022年4月以降、解体・改修工事の元請業者は事前調査結果を労働基準監督署および都道府県等へ報告することが義務化されました。レベル1(吹付け石綿)からレベル3(成形板等)まで飛散性により区分され、対応方法が異なります。
空き家所有者にとっての意味
2006年以前に建てられた建物は、アスベスト含有建材が使用されている可能性があります。解体や大規模改修の際は、有資格者による事前調査が必須となり、含有が判明した場合は除去・封じ込め・囲い込みなどの対策費用が発生します。レベル1の除去では数百万円規模となることもあります。通常の居住・使用ではただちに健康影響が出るものではありませんが、劣化・破損部分が露出している場合は専門業者への相談が推奨されます。
よくある誤解・注意点
「築年数が新しければアスベストは無い」とは限らず、2006年以前の建物では確認が必要です。また「触らなければ安全」というのも条件付きで、劣化や破損により飛散リスクが生じる場合があります。自己判断での除去は法令違反となるため、必ず有資格業者に依頼してください。
