「思い出が詰まった実家だから、なかなか手放す決心がつかない」
「今は仕事が忙しくて、実家のことは後回しになっている」
「近所から何か言われたわけではないから、まだ大丈夫だと思うんだけど…」

数年放置している実家について、こうしたお気持ちを抱えたまま時間が過ぎてしまうご家族は少なくありません。ただ、空家法(空家等対策特別措置法)が2023年12月に改正されてから、「放置していても税金は変わらない」という前提が崩れました。

まず全体像として|放置で起きる4つのリスクと、税金の話

実家を放置していると、次の順で問題が積み重なっていきます。

  1. 建物の老朽化:外壁・屋根の劣化、雨漏りシロアリ、庭木の越境
  2. 放火リスク:空き家火災の出火原因1位は放火(消防庁データ)
  3. 不法投棄:ゴミがゴミを呼ぶ連鎖で、敷地が集積場化する事例
  4. ご近所との関係悪化:越境・悪臭・害獣・防犯不安からの通報

そして4つのリスクが揃うと、多くの自治体で管理不全空家特定空家に指定される可能性が高まります。指定を受けて「勧告」まで進むと、住宅用地特例が外れ、固定資産税が最大6倍になる場面が出てきます。

リスク1|建物の老朽化と、民法717条「工作物責任」

人が住まない家は、住んでいる家の3倍速で傷むといわれます。窓を開ける人がいないので湿気がこもり、雨戸が閉められたままだと日光が届かず、木材や畳が湿気を含んでカビが広がります。

老朽化が進むと、外壁の一部が落ちる・雨どいが外れる・ブロック塀が傾く、といった物理的な問題が発生します。これらが通行人にケガをさせたり、ご近所の車を傷つけたりすると、民法717条「工作物責任」により、所有者過失がなくても損害賠償責任を問われることがあります。

過去の判例では、外壁落下で通行人に後遺症が残った事例で1億円超の賠償命令が出た例もあります。「うちは大丈夫」の前に、火災保険の付帯範囲と施設賠償責任保険の加入状況を確認しておきたいところです。

リスク2|放火は、空き家火災の出火原因の第1位

総務省消防庁の火災統計によると、空き家の火災原因のトップは放火です。人の出入りが少なく、庭に枯草・段ボールが積み上がった空き家は、放火犯にとって「見つかりにくい」対象になります。

空き家からの延焼でお隣を焼いてしまった場合、失火責任法により重過失がなければ賠償責任は生じません。ただし、賠償対象外だからといって、ご近所との関係が壊れないわけではありません。「あの空き家から燃え広がった」という記憶は、地域の中で長く残ります。

リスク3|不法投棄は「ゴミがゴミを呼ぶ」連鎖

敷地の隅にゴミが1つ捨てられると、「ここは捨てても大丈夫な場所」と認識され、次々にゴミが集まってきます。粗大ゴミ、家電、産業廃棄物、時には車のバンパーやタイヤまで、敷地が集積場のようになる例も報告されています。

不法投棄されたゴミの処分費用は、原則として土地の所有者負担です(廃棄物処理法5条)。1台の粗大家電なら数千円で済みますが、産業廃棄物レベルになると、撤去費用が100万円を超える事例も珍しくありません。

リスク4|ご近所との関係が、少しずつ悪くなる

庭木が伸びてお隣の敷地にはみ出す、落ち葉が排水溝を詰まらせる、悪臭が漂う、害獣(ハクビシン・ノラネコ)の巣になる、夜間に若者がたむろする――放置期間が長くなるほど、お隣にお住まいの方への迷惑が積み重なります。

市役所への通報が入り、行政指導が始まり、「管理不全空家」の指定へと進む、という流れは、ご近所とのトラブルが起点になる事例が多くを占めます。詳しくは帰省時、お隣さんから「実家の臭い」と言われる夏もご参照ください。

特に注意したい税金の話|勧告で固定資産税が最大6倍

2023年12月の空家法改正で、「管理不全空家」という新しい区分ができました。特定空家に指定される前の段階でも、勧告を受けると住宅用地特例(最大1/6の軽減)が外れる可能性があります。

住宅用地特例が外れると、税額はどう変わるか

状態 年間の固定資産税(例:土地評価額1,000万円の場合)
特例適用中 約2万円(1/6軽減)
勧告後に特例除外 約12万円(最大6倍)

年10万円の負担増が10年続くと100万円。この負担は、放置している間ずっと続きます。

他の税金・費用も上乗せされる場面

  • 命令違反の過料:50万円以下(空家法22条)
  • 行政代執行の費用請求:建物解体で100〜300万円の代執行が実施され、後日、所有者に請求される
  • 寝屋川市の空き家流通促進税2026年7月に可決、固定資産税額の35%を上乗せ(2029年度課税予定)

今からできる4つの方法|負担が軽い順に並べます

方法1|見回り・通気・通水を月1回(費用ほぼ0円)

ご自身で月1回、実家を訪問して、通気通水・郵便物確認・庭木確認を回す。1回2〜3時間、費用は交通費程度で済みます。遠方の場合は、地元のシルバー人材センターや遠隔見回りサービス(月5,000〜15,000円)を利用する方法もあります。詳しくは通水|月1回・5分で3つのトラブルを防ぐもあわせてご覧ください。

方法2|賃貸に出す(初期費用100〜300万円)

実家をリフォームして賃貸に出すと、家賃収入が発生し、住宅用地特例も維持されます。ただし、修繕費・入居者募集・借家人対応の負担があり、地域と物件の条件(駅からの距離、間取り、建物年数)に大きく影響を受けます。

方法3|解体して更地に(費用150万円前後)

解体して更地にすると、建物リスク(老朽化・放火・不法投棄)は消えます。ただし、住宅用地特例が外れて固定資産税が最大6倍になる点にご注意ください。「解体してから売却」の順で進めるなら合理的な選択ですが、「解体だけして更地のまま放置」は税負担が重くなります。

方法4|売却(初期費用0円、1〜2か月で完結)

現況買取なら、修繕・片付け・解体をせずに、そのままの状態で売却できます。所有権が移った時点で、税負担・管理義務・賠償リスクの全てから解放されます。買取価格は仲介より下がる傾向がありますが、期間の短さと初期費用ゼロを考えると、負担全体では最も軽い方法になる場合も多くあります。

4つの方法の実務コストを、並べて比べます

方法 初期費用 期間 維持コスト 賠償リスクの残存
①見回りだけ 月5,000円〜 継続 継続(税・保険) あり
②賃貸 100〜300万円 6〜12か月 継続(入居者リスク) 低減(借家人が使用)
③解体して更地 150万円前後 2〜3か月 継続(税負担増) 低減
④売却 0円 1〜2か月 ゼロ ゼロ

サントが対応できる範囲

株式会社サントは、東大阪市・八尾市を中心に大阪府内全域で、空き家の買取・自社解体・借家人付き買取を一貫対応しています。放置が長引いてしまった空き家についても、現況のまま査定に応じています。

  • 修繕・片付け不要の現況買取(残置物や庭木が伸びた状態でも可)
  • 解体費が課題な場合の、自社解体+更地化+売却
  • 借家人付き・狭小地底地再建築不可のご相談
  • ご近所への挨拶・引き継ぎまでご対応

査定は最短即日〜3営業日でPDFをお渡ししています。放置状態の把握と方法の比較だけでも、まずは1度お声がけください。

関連する記事・用語

よくあるご質問(FAQ)

Q1|「いつか考えよう」と思いながら、何年も経ってしまいました。今からでも間に合いますか?

間に合います。ただし、放置期間が長いほど建物の劣化が進み、選べる方法(修繕→賃貸/解体→売却/現況買取)の中で「現況買取」の割合が高くなる傾向があります。まずは現状の査定を1枚取っていただくと、「いま何ができるか」の判断材料が並べやすくなります。

Q2|自治体から「管理不全空家」の連絡が来てしまいました。どう進めればよいですか?

連絡が来た段階では、まだ「助言・指導」の初期段階のことが多くあります。この段階なら、修繕・清掃・売却準備で改善できれば、「勧告」まで進まずに済むことが多くあります。市町村の窓口で「改善計画書」の提出を求められる場合もあるため、担当部署へのご連絡を早めに済ませてください。

Q3|ご近所から苦情をいただいてしまいました。まず何をしたらよいですか?

まず、直接お会いしてお詫びをお伝えするのが第一歩です。庭木の剪定・草刈り・ゴミの撤去を、その週のうちに手配していただくと、関係修復につながりやすくなります。ご自身で対応が難しい場合は、シルバー人材センターや地元の便利屋(1〜3万円程度)へのご依頼が現実的です。

Q4|解体してしまうと固定資産税が6倍になると聞きましたが、本当ですか?

本当です。ただし、6倍になるのは「住宅用地特例」が外れる場合で、解体後に更地のまま保有し続けた場合です。解体→売却まで一連で進めるなら、税負担増を最小化できます。「解体だけ先に済ませる」より、「解体・売却をまとめて検討」がおすすめです。

Q5|寝屋川市の「空き家流通促進税」って、他の自治体にも広がりますか?

寝屋川市が全国初として2026年7月に可決した空き家流通促進税は、大阪府内・関西圏の他自治体でも同様の制度が検討される可能性があります。詳しくは寝屋川市『空き家流通促進税』可決!記事もご参照ください。

まとめ|「いつか」を「今月」に置き換える

空き家の放置で発生する4つのリスク(老朽化・放火・不法投棄・ご近所トラブル)は、時間の経過とともに1つずつ現実に近づいていきます。しかも2023年12月の空家法改正で、税負担が最大6倍になる仕組みが実装されました。

「いつか考えよう」を「今月中に査定書を1枚取っておく」に置き換えるだけで、判断材料が並びます。査定書を見てから、続けるか手放すかを決める――この順序が、放置を止める第一歩になります。

東大阪市・八尾市・大阪市で空き家のことが気になる方へ

株式会社サントでは、東大阪市・八尾市・大阪市を中心に大阪府内全域で、空き家の買取・自社解体をワンストップで承っています。放置期間が長い物件・現況のままの物件・借家人付きの物件など、関西の一戸建て事情に合わせて対応します。

■LINEでのご相談 https://page.line.me/217gbcew

■お電話でのご相談 06-6789-1116(平日9:00〜17:00)

出典・参考リンク