解説

カビとは、真菌類のうち菌糸を形成して肉眼で確認できる微生物群の総称です。一般的に湿度60%以上、温度20〜30℃、栄養源(ホコリや有機物)の3条件が揃うと繁殖しやすくなります。住宅内では、浴室、台所、押入れ、窓際、北側の壁、床下などに発生しやすく、黒カビ(クラドスポリウム)、青カビ(ペニシリウム)、赤カビ(ロドトルラ)など多種が見られます。建材表面に発生して美観を損なうほか、種類によってはアレルギー症状の原因となることがあります。木造建物では、表面のカビが進行すると木材腐朽菌の繁殖につながり、構造材の強度低下を引き起こす場合もあります。

関連法令・制度

建築基準法シックハウス対策で24時間換気設備の設置義務が定められており、結露・カビ抑制の観点からも重要です。厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では、室内の相対湿度を40〜70%に保つことが望ましいとされています。賃貸借契約では、カビ発生の責任分界について居住者の善管注意義務と建物の構造的問題を区別する判例があります。

空き家所有者にとっての意味

空き家では換気不足によりカビが発生しやすく、定期的な通風が予防の基本となります。発生したカビの除去は、軽度であれば市販の除カビ剤で対応可能ですが、広範囲や床下・壁内に及ぶ場合は専門業者への依頼が現実的です。専門業者によるカビ除去費用の目安は、部屋単位で5〜20万円程度です。原因となる漏水や結露を解消しないと再発するため、根本対策と表面処理の両方が必要となります。

よくある誤解・注意点

「漂白剤で拭けば完全除去」とは限らず、表面の色素は落ちても菌糸が建材内部に残っている場合があります。また結露を放置したままカビだけを除去しても再発します。床下や壁内のカビは見えない場所で進行することがあるため、定期点検が予防につながります。

関連用語