解説

シロアリは、木材中のセルロースを主食とする社会性昆虫で、住宅の構造材を加害することがあります。日本の家屋に影響を与える主な種は、本州全域に分布するヤマトシロアリと、関東以南の温暖地域に分布するイエシロアリです。湿った木材を好み、床下や浴室周りの土台、玄関框、勝手口などから侵入することが多く、被害が進行すると構造材の強度が大きく低下することがあります。羽アリの群飛(4〜7月頃)、蟻道(土でできた細いトンネル)、木材を叩いた時の空洞音などが被害発見の手がかりとなります。近年は外来種のアメリカカンザイシロアリも一部地域で確認されています。

関連法令・制度

建築基準法施行令第49条で、木造建築物の地面から1m以内の木部に防蟻措置が義務付けられています。住宅性能表示制度の劣化対策等級でも防蟻措置が評価対象です。シロアリ防除に使用する薬剤は、公益社団法人日本しろあり対策協会の認定を受けたものが用いられ、定期的な再施工(一般に5年ごと)が推奨されます。

空き家所有者にとっての意味

長期間人の出入りがない空き家は、シロアリ被害が見逃されやすい環境です。床下点検口からの目視確認、専門業者による定期点検(無料の場合も多い)が推奨されます。防蟻処理の費用相場は、戸建て住宅で15〜25万円程度(5年保証付き)です。被害が確認された場合の駆除費用は被害範囲により異なり、構造材の交換を伴う場合はさらに高額となります。早期発見により補修範囲を抑えることができます。

よくある誤解・注意点

「羽アリ=必ずシロアリ被害」とは限らず、形状の確認が必要です(シロアリは胴のくびれが少なく、4枚の羽が同じ大きさ)。また「乾燥した家は安全」も誤解で、配管漏れや雨漏りで局所的に湿った箇所が発生することがあります。床下を定期的に確認することが予防の基本です。

関連用語