「仲介の方が高く売れそうだけれど、手続きが長そうで踏み切れない」
「直接買取は早いと聞くけれど、いくら安くなるのかが分からない」
「結局どちらが手元に残るのか、比べる材料が揃わない」
相続した実家を売却されるご家族から、このお声を伺います。空き家の売却には大きく2つの道があり、仲介(一般市場で買い手を探す)と 直接買取(業者が直接買い取る)で、進み方も手元に残る金額も異なります。
この記事では、両者の仕組みを宅建業法・民法の条文で確認したうえで、1,200万円の空き家を売却された実例をもとに、手元に残る金額の差 を数字でご紹介します。
まず結論として|表面価格ではなく「手元に残る金額」で比べる
先に要点を申し上げます。1,200万円の空き家を売却する場合、両者の実質手取りは次のように並びます。
- 仲介:表示1,200万円 − 手数料46万円 − 解体費100〜200万円 − 残置物20〜50万円 − 維持費10〜20万円/年 = 手取り約930万円(1年経過ケース)
- 直接買取(サント例):買取価格900〜1,000万円 − 諸経費 0円 = 手取り約950万円(1〜2か月完了)
表面の売却価格は仲介が高くても、諸経費・期間中の維持費・ご家族の稼働を差し引くと 実質手取りは同等以下 になることも多くあります。数字と期間、ご家族の負担を並べて判断されるのが安心です。
仲介の仕組み|宅建業法に基づいた一般市場での売却
仲介は、不動産会社が売主と買主の間に立ち、一般市場で買い手を探す 進め方です。宅地建物取引業法に基づく仕組みで、売買契約が成立して初めて仲介手数料が発生します。
仲介の実務的な特徴
- 売却価格:市場価格に近い水準で売り出せる(=表面上は高値の可能性)
- 期間:買い手が現れるまで 3〜6か月、長い場合は1年以上
- 買い手:主に居住用の一般個人
- 内見対応:買い手候補が現地を見に来られるため、鍵の貸し出し・立ち合いが必要
- 解体・残置物:買主が現況渡しを嫌う場合、売主が負担して更地・空家に整えて引き渡すことがある
- 契約不適合責任:民法562〜566条に基づき、売却後に隠れた欠陥が判明した場合の責任を売主が負う
仲介手数料の計算方法
仲介手数料は宅建業法で上限が定められています。売買価格に応じて次のように計算します。
| 売買価格(税抜) | 仲介手数料の上限 |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 5% |
| 200万円超〜400万円以下の部分 | 4% |
| 400万円超の部分 | 3% |
1,200万円で売却した場合の計算は次のとおりです:
200万円 × 5% + 200万円 × 4% + 800万円 × 3% = 10万円 + 8万円 + 24万円 = 42万円 + 消費税4.2万円 = 約46万円
1,000万円を超える売却では、上記の式ではなく「売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税」の速算式でも同じ結果が得られます。
直接買取の仕組み|業者が売主から直接買い取る
直接買取は、不動産会社が売主から直接物件を買い取る進め方です。仲介と違って、業者自身が買主となるため、買い手を探す期間は不要となります。買い取った物件は、業者側でリフォーム・解体・再販売して収益を得るビジネスモデルです。
直接買取の実務的な特徴
- 買取価格:仲介の 市場相場の70〜90% が目安(業者のリスク・利益を織り込むため)
- 期間:査定〜契約〜引き渡しまで 1〜2か月 が一般的
- 買い手:業者自身(一般個人への告知・内見なし)
- 内見対応:不要(一度の査定訪問のみ)
- 解体・残置物:業者が対応する場合が多く、売主の実費負担は0円
- 契約不適合責任:業者が事業者として買うため、免除特約 で対応することが多い
- 仲介手数料:業者が売主から直接買うため 不要(0円)
仲介と比べて「表面の売却価格は下がるが、諸経費・期間中の維持費・稼働負担が大幅に減る」構造となっています。
両者を数字で比較|1,200万円の空き家を売却したご家族の実例
実際にどれくらい違うのか、東大阪の実家(土地50坪、木造築40年)を売却された実例で並べます。
| 項目 | 仲介 | 直接買取(サント例) |
|---|---|---|
| 表面の売却価格 | 1,200万円 | 900〜1,000万円程度 |
| 仲介手数料 | 約 △46万円 | 0円 |
| 解体費(必要な場合) | △100〜200万円 | 0円(サントが対応) |
| 残置物処分 | △20〜50万円 | 0円(サントが対応) |
| 売却期間中の維持費(固定資産税・保険) | △10〜20万円/年 | 0円(1〜2か月で完了) |
| 契約不適合責任 | あり | 免除特約での対応も可能 |
| 売却完了までの期間 | 3〜6か月、1年超の場合も | 1〜2か月 |
| 実質手取り(1年経過の場合) | 約930万円 | 約950万円 |
表面価格では仲介が200〜300万円高く見えますが、諸経費・維持コストを差し引くと、実質手取りはほぼ同等、状況によっては買取が上回ります。加えて、仲介の場合はご家族側で内見対応・書類確認などの稼働が発生します。買取の場合はご家族側の追加負担がほぼありません。
ご家族に合う進め方の目安
仲介が向きやすいご家族
- 好立地:駅徒歩10分以内、商業地に近い、学区が人気
- 築浅:築20年以内で建物価値が残っている
- 時間に余裕:3〜6か月以上をかけて売却できる
- できるだけ高く売りたい:一定の稼働負担を許容できる
- 解体・残置物処分の費用感:既に見積もりを取っていて、上乗せしても手取り増となる見込み
直接買取が向きやすいご家族
- 遠方在住:内見対応や現地確認が難しい
- 早期完了を優先:確定申告の期限・空き家3,000万円特別控除の期限に間に合わせたい
- 築年が古い実家:築30年超で建物価値がほぼゼロ、更地渡しが必要
- 狭小地・底地・借家人付き:一般市場では買い手が付きにくい
- 家財がそのまま:残置物処分の労力・費用をかけたくない
- ご近所に知られたくない:内見・広告なしで静かに進めたい
サント(東大阪・八尾・大阪市)が窓口としてお手伝いできること
株式会社サントは、大阪府東部を中心に空き家の買取・再販を行ってきました。「仲介で売る」「直接買取で進める」の両パターンを並べて、ご家族の状況に合う進め方をご一緒に確認しております。
- 直接買取の実際の査定と、仲介想定価格の 並列比較資料 の提供
- 現況のままでの買取(リフォーム・解体不要)
- グループ会社サントプラスで 遺品整理・不用品処分 まで一括対応
- 長屋・連棟・狭小地・底地・再建築不可・借家人付きの個別相談
- 相続登記未了の実家もリーガルパートナー連携で対応
よくあるご質問|FAQ
Q1. 仲介と直接買取、両方の査定を並行して取ってもよいでしょうか?
問題ありません。むしろ、比較材料を揃えるためにも 両方の査定を並行して依頼される のが安心です。仲介の場合は不動産会社の売り出し想定価格、買取の場合は業者の実際の買取価格を、それぞれ書面で受け取れます。査定書に添えて、諸経費まで含めた実質手取り試算を出してくれる会社を選ばれるとよりわかりやすいです。
Q2. 直接買取は、いつも仲介より安くなるのでしょうか?
いいえ、必ずしもそうとは限りません。築古戸建て・狭小地・借家人付きなど、仲介では買い手が付きにくい物件では、仲介の販売期間中にかかる維持費・解体費・値下げを織り込むと、買取のほうが実質手取りが上回ることもあります。反対に、好立地で築浅の物件は仲介が有利になりやすい傾向があります。
Q3. 契約不適合責任の免除は業者によって違いますか?
はい、業者ごとに対応が異なります。買取の場合、業者が事業者として買い取るため、民法562〜566条の契約不適合責任を 免除特約 で対応することができます(宅建業法40条により、事業者間契約では免除が可能)。ただし、免除の範囲や条件は業者によって差があるため、契約書の条項を事前にご確認されるのが安心です。
Q4. 仲介期間中の維持費はどのくらいかかりますか?
戸建て空き家の場合、年間14〜38万円 が目安です。内訳は固定資産税・都市計画税5〜15万円、火災保険2〜5万円、電気・水道の基本料金2〜3万円、庭木剪定2〜5万円、遠方の場合の見回り交通費3〜10万円などです。仲介の売却期間が6か月〜1年に及ぶ場合、この維持費が売却手取りから差し引かれる形になります。
Q5. 業者を選ぶときの見極めポイントはありますか?
次の3点をご確認されるのがおすすめです:
① 宅地建物取引業免許 の有無(免許番号は必ず名刺・書面に記載されています)
② 買取実績(年間の買取件数、地域での実績)
③ 査定根拠(近隣の取引事例、価格査定マニュアルに基づく算定を提示できるか)
「なんとなく高い査定額」を出す業者より、根拠を丁寧に説明してくれる業者を選ばれると、後々のトラブルを避けられます。
まとめ|「表面価格」ではなく「実質手取り」で判断する
空き家の売却で「仲介と直接買取のどちらが得か」の答えは、ご家族の状況で変わります。要点を振り返ります。
- 仲介:表面価格は高いが、諸経費・期間・稼働負担が大きい
- 直接買取:表面価格は下がるが、諸経費0・期間1〜2か月・稼働ほぼなし
- 実質手取り:状況次第で買取が同等以上になることもある
- 両方の査定を並行して取り、諸経費込みの数字で比較するのが安心
「表面の売却価格」だけで比べると仲介が高く見えますが、諸経費と時間・ご家族の稼働まで含めると、必ずしも仲介が有利とは限りません。両方の査定書を並べたうえで、ご家族の状況に合う進め方を選ばれるのが最も後悔の少ない進め方です。
東大阪・八尾・大阪市で空き家のご相談ならサントへ
株式会社サントは、大阪府東部を中心に空き家の買取・再販を行ってきました。仲介と直接買取の並列比較資料の提供から、現況のままでの買取、遺品整理まで、ご家族の窓口として一貫してお手伝いいたします。査定・ご相談は無料、判断材料としてご利用いただけます。無理な営業はいたしません。
