解説

アスベスト除去工事とは、建物に使用されている石綿含有建材を、飛散を防止しながら取り除く工事のことです。事前調査でアスベストの含有が確認された場合に行われ、含有建材は飛散性の高さに応じて3つのレベルに区分されます。レベル1は吹付けアスベスト(最も飛散性が高い)、レベル2は保温材・断熱材・耐火被覆材、レベル3は成形板(屋根材外壁材・床材など)です。レベル1・2では密閉養生と負圧除じん装置の設置、専用の防護服・呼吸用保護具の着用が必須で、湿潤化しながら手ばらしで除去します。レベル3は比較的飛散リスクが低いものの、原則として手ばらしで取り外します。

関連法令・制度

大気汚染防止法、石綿障害予防規則、廃棄物処理法(特別管理産業廃棄物としての処理)の規制対象です。事前に労働基準監督署および自治体への作業届出が必要で、作業従事者には特別教育の受講が義務付けられています。除去後の廃材は特別管理産業廃棄物として厳格に管理・処分されます。

空き家所有者にとっての意味

除去費用はレベルや面積により大きく異なります。レベル1の吹付け材で1平方メートルあたり1.5〜8.5万円、レベル2で1〜6万円、レベル3で0.3〜1万円程度が目安とされ、地域や処分場までの距離によって変動します。アスベスト除去には住宅・建築物アスベスト改修事業などの国・自治体補助金が用意されており、調査費用の全額補助や除去費用の一部補助(上限120万円程度)が受けられる場合があります。事前に自治体の補助制度を確認することをお勧めします。

よくある誤解・注意点

「少量だから自分で剥がせる」というのは大変危険です。アスベスト除去は法令上、有資格者・登録業者でなければ実施できません。また、除去工事は通常の解体より工期が長くなり、近隣への事前説明も必要です。費用を抑えるため除去工程を省く業者は法令違反であり、関わらないようにしましょう。

関連用語