解説
在来工法とは、柱と梁による軸組で建物を支え、筋交いや構造用面材で水平力に抵抗する日本の伝統的な木造工法です。木造軸組工法とも呼ばれ、戦後の住宅供給を支えてきた中心的工法です。基礎の上に土台を据え、柱を立て、梁・桁で水平材を組み、その上に小屋組と屋根を架ける構成となります。間取りの自由度が高く、開口部を大きく取りやすい点が特徴で、後の増改築にも対応しやすい工法です。1995年の阪神・淡路大震災以降、耐震性能の向上が図られ、接合部に金物を用いる金物工法や、構造用合板による耐力壁の採用が一般化しました。
関連法令・制度
建築基準法施行令第3章第3節に木造の構造規定があり、壁量計算や四分割法、N値計算法などの構造チェック方法が定められています。住宅性能表示制度の耐震等級も在来工法住宅で活用されています。木造軸組工法住宅の許容応力度設計の基準書も実務で用いられます。
空き家所有者にとっての意味
在来工法の空き家は、リフォームの自由度が高く、間取り変更や水回り移動も比較的容易です。築年数が古い物件では、筋交いの本数不足や接合部の弱さが見られることがあり、耐震診断による現状把握が推奨されます。耐震改修工事は補助金制度を利用できる自治体が多く、費用の一部負担で対応可能な場合があります。基礎が無筋コンクリートの場合は、基礎補強や打ち増しの検討も必要です。
よくある誤解・注意点
「在来工法は地震に弱い」と一括りにされがちですが、新耐震基準以降の住宅や2000年改正基準以降の住宅は耐震性能が大幅に向上しています。築年代と改修履歴の確認が重要です。
