解説
ヒートアイランドは、都市部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象を指します。気象庁の観測では、日本の年平均気温が100年あたり約1.4℃上昇に対し、東京の年平均気温は100年で約3.3℃と、全国平均の2倍以上のペースで上がってきました。この差の主な原因が、都市化に伴うヒートアイランド現象です。真夏日・熱帯夜の日数増加や、夜間気温の下がりにくさとして体感されます。
環境省のヒートアイランド対策大綱では、主な要因として「人工排熱の増加」「地表面被覆の変化」「都市形態の高密度化」の3つが整理されています。対策としては、人工排熱の低減、地表面被覆の改善(屋上緑化・保水性舗装等)、都市形態の改善(風の道の確保)、ライフスタイルの改善(打ち水・緑のカーテン等)の4本柱が示されています。
関連法令・制度
ヒートアイランドを直接規制する法令はありません。環境省が策定した「ヒートアイランド対策大綱」(2013年制定、2021年改定)が対策の方向性を示す公的文書となっています。関連する制度として、建築物省エネ法、都市緑地法、都市計画法などが対策の枠組みを支えています。
空き家との関係
都市部の空き家集積は、緑地・植栽の管理放棄と屋根・外壁の劣化を通じて、地表面被覆の変化に静かに関わっています。庭木が枯れて剥き出しの地面や砂利になる、劣化した黒瓦や金属屋根が熱を吸収する、建て替えが進まず街区が固定化するなどの構造が積み上がっていく形です。近隣からの「日陰が減った」「熱がこもる」といったお声が、空き家オーナーに届く場面が増えている背景でもあります。
