解説
風の道は、都市部での風通しを確保するために、建物配置や街区設計で意図的に空けておく空間ルートのことです。海や山、河川、大規模緑地などから発生する比較的冷涼な空気を、都市の中心部にまで導くための「回廊」のような発想で設計されます。ドイツのシュツットガルトやフランクフルトなど欧州の都市計画で先進事例が知られ、日本でも東京・大阪などで研究・部分的な導入が進められてきました。
河川沿いの高さ規制、公園緑地の連続配置、建物間の空地確保などが具体的な手法です。ヒートアイランド対策の4本柱のひとつ「都市形態の改善」の中核をなす考え方でもあります。
関連法令・制度
都市計画法における特別用途地区・地区計画、環境影響評価法における都市開発時の風環境予測、環境省ヒートアイランド対策大綱、自治体独自の景観・都市デザインガイドラインなどが、風の道の確保を支える制度枠組みです。
空き家との関係
空き家が密集する街区では、建て替え・再開発が進みにくいため、街区設計の見直しによる風の道の確保が難しくなります。逆に言えば、空き家の流動化や集約・再編は、地域スケールで見れば風の道の再構築にもつながりうるテーマです。個別の空き家対策と、地域の気候環境の改善は、実は静かにリンクしています。
