解説
蒸散作用とは、植物が根から吸い上げた水を葉の気孔から水蒸気として放出するはたらきです。水が液体から気体に変わるときに周囲から熱を奪う(気化熱)ため、樹木の周辺は気温が下がりやすくなります。大きなケヤキ1本の蒸散量は真夏で1日あたり数百リットルに達することもあり、「街路樹の木陰は涼しい」体感の理由のひとつです。
この効果は日射遮蔽(木陰による直達日射の遮り)と組み合わさって、周辺の気温を実測で数℃下げるほどの効果を持つ場合があります。ヒートアイランド対策における緑地の役割を支える基礎的な仕組みです。
関連法令・制度
蒸散作用そのものを扱う法令はありませんが、都市緑地法・環境省ヒートアイランド対策大綱・自治体の緑化条例など、都市の緑を保全・拡大する制度がその機能を活用する枠組みになります。
空き家との関係
空き家の庭木が枯死・伐採・剪定放棄されると、蒸散作用による周辺気温の抑制効果が失われます。とくに古い戸建ての庭にある成木は蒸散量が大きく、失われた際の影響が体感されやすいです。ご近所の方から「日陰が減った」「熱がこもる」といったお声が出やすいのは、この機能の消失が背景にあります。
