解説

任意後見とは、本人の判断能力が十分なうちに、将来判断能力が低下した場合に備えて、信頼できる人との間であらかじめ後見契約を結んでおく制度をいいます。契約は公正証書で作成し、本人の判断能力が不十分になった段階で家庭裁判所に「任意後見監督人」の選任を申し立てることで、契約の効力が発動します。任意後見人は契約で定められた範囲内で、本人に代わって財産管理や生活上の契約を行います。本人自身が支援者と内容を選べる点が大きな特徴で、空き家を含む財産管理についても希望を反映させやすい仕組みです。

関連法令・制度

任意後見は「任意後見契約に関する法律」に基づく制度で、必ず公正証書による契約が求められます。後見開始後は家庭裁判所が選任した任意後見監督人が、後見人の事務を監督します。

空き家所有者にとっての意味

「将来、判断能力が落ちてきたら、実家の売却や管理は子どもに任せたい」といった希望がある場合、任意後見契約は具体的な手段となります。契約書の中で、不動産の売却や修繕、賃貸借契約の締結など、想定される事務をあらかじめ盛り込んでおくことで、いざという時の判断がスムーズになります。家族信託遺言と組み合わせて、生前から相続後までを見据えた設計を行うケースも増えており、専門家と一緒に総合的な対策として検討することが望まれます。

よくある誤解・注意点

任意後見契約は、結んだだけでは効力が発生せず、判断能力が低下した時点で監督人の選任を申し立てることで初めて開始します。また、任意後見開始前のサポートには「見守り契約」「財産管理委任契約」など別の契約が必要となる場合があります。

関連用語