解説
法定後見とは、認知症などにより判断能力が低下した方について、家庭裁判所が「成年後見人」「保佐人」「補助人」を選任し、本人の財産管理や身上監護を支援する制度をいいます。本人の判断能力の程度に応じて、後見・保佐・補助の3類型が用意されており、それぞれ支援者の権限の範囲が異なります。本人や配偶者、四親等内の親族などが家庭裁判所に申立てを行うことで手続きが始まります。空き家を所有する高齢の方の財産管理が困難になった場合に、法的な支援の枠組みとして利用される制度です。
関連法令・制度
法定後見は民法第7条以下に規定されています。後見人等の選任、職務内容、報酬の決定などはすべて家庭裁判所が監督し、定期的な報告が求められます。後見類型では包括的な代理権が認められる一方、保佐・補助では同意権や個別の代理権が中心となります。
空き家所有者にとっての意味
親がすでに認知症等で判断能力を失っているにもかかわらず、空き家の売却や賃貸契約の見直しが必要となった場合、法定後見の申立てが選択肢になります。後見人が選任されれば、本人に代わって不動産の管理や処分の手続きを進めることができます。ただし、居住用不動産を処分する際には、家庭裁判所の許可が必要となる点に注意が必要です。手続きには一定の時間と費用がかかるため、可能であれば判断能力があるうちに任意後見契約や家族信託などの準備を進めておくことが望まれます。
よくある誤解・注意点
後見人は家庭裁判所が選任するため、家族が希望する人がそのまま選ばれるとは限らず、専門職後見人が選ばれることもあります。また、後見人には継続的な事務と裁判所への報告義務があり、長期にわたる関わりとなる点を理解しておくことが大切です。
