解説

成年後見制度とは、認知症や知的障がい、精神障がいなどによって判断能力が十分でない方を法律的に支援するための制度です。本人の財産管理や、福祉サービスの契約・施設入所手続きといった身上監護を、家庭裁判所が選任する後見人・保佐人・補助人などが行います。大きく分けて、本人の判断能力がすでに低下している場合に利用する「法定後見」と、判断能力があるうちに将来に備えて契約しておく「任意後見」の2つの仕組みがあります。空き家を所有する高齢の方の財産管理においても、重要な選択肢となります。

関連法令・制度

成年後見制度は民法および「任意後見契約に関する法律」に根拠があります。法定後見は本人や家族の申立てにより家庭裁判所が後見人等を選任し、任意後見は本人が選んだ任意後見人と公正証書で契約を結ぶ仕組みです。

空き家所有者にとっての意味

親が高齢になり判断能力が低下してくると、不動産の管理や売却の手続きを本人だけで進めるのが難しくなる場面があります。成年後見制度を利用することで、後見人等が本人に代わって契約や財産管理を行えるようになり、空き家の維持・修繕・売却などの判断を進める道が開かれます。ただし、後見人は家庭裁判所の監督下で職務を行うため、不動産の処分には裁判所の許可が必要となるケースもあります。早めに制度の内容を理解し、必要に応じて任意後見の検討を進めておくと安心です。

よくある誤解・注意点

「家族の判断で自由に親の不動産を売却できる」と誤解されることがありますが、本人の判断能力が低下している場合は、後見人の選任など正式な手続きが必要です。また、後見人には専門職が選ばれる場合もあり、報酬や監督に関する仕組みを理解しておくことが大切です。

関連用語