解説
借地権は、建物の所有を目的として他人の土地を借りる権利の総称で、地上権(物権)と賃借権(債権)の二種類があります。借地借家法により、契約期間や更新、譲渡、地代の取扱いについて借主を保護するルールが定められています。普通借地権の存続期間は最低30年で、更新がある形式が原則です。1992年に施行された借地借家法では、契約期間満了で確実に土地が返還される定期借地権(一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権)も導入されました。借地権付きの空き家は、相続によって承継される場合があり、所有権物件とは異なる権利関係に基づく管理・処分の知識が必要となります。借地権の評価額は更地評価額に借地権割合(国税庁の路線価図に記載)を乗じて算定されるのが一般的です。
関連法令・制度
根拠は借地借家法(平成3年法律第90号)です。1992年7月31日以前に設定された借地権には、旧借地法が適用されます。地上権は民法第265条以下、賃借権は同法第601条以下に一般規定があります。所管は法務省です。借地非訟事件は裁判所が所管し、譲渡承諾に代わる許可などの手続が用意されています。
空き家所有者にとっての意味
借地上の空き家を相続した場合、地主との関係(地代、契約期間、更新時期)の確認が出発点です。建物を売却する際は地主の承諾が必要となる場合があり、承諾料の支払いが慣行となっています。承諾が得られない場合、借地借家法第19条による裁判所の許可で代替する道もあります。地主からの買取り提案や、借地権の譲渡先の検討など、複数の選択肢を専門家と整理することが現実的です。古い借地では契約書がないこともあり、登記や領収書から実態を整理することから始まります。借地権と底地を交換して完全所有権に整理する手法もあります。
よくある誤解・注意点
借地権は底地(土地所有権)とは別の権利です。借地人は建物の所有者として登記でき、第三者対抗力を持ちます。1992年以前の旧借地法と現行借地借家法では更新・存続期間のルールが異なるため、契約締結時期の確認が大切です。
