解説

数次相続とは、ある相続が発生した後、その相続手続きが終わらないうちに、相続人のうちの一人がさらに亡くなって新たな相続が始まり、相続関係が重なって発生する状態をいいます。たとえば、祖父が亡くなった後、遺産分割協議相続登記をしないうちに父が亡くなった場合、祖父の相続と父の相続が重なって関係者が増えていきます。空き家の名義が長年そのままになっている家屋では、この数次相続が起きていることが少なくありません。世代を経るごとに相続人の人数が増え、関係も複雑になります。

関連法令・制度

数次相続は民法の相続規定にもとづき発生する状況であり、特別な制度ではありません。ただし、相続登記の義務化との関係では、それぞれの相続について3年以内の登記申請が求められ、まとめて手続きを行う場合の取扱いは法務省や法務局の通達等で整理されています。

空き家所有者にとっての意味

祖父母や曾祖父母名義のままになっている空き家は、数次相続が積み重なっていることがあります。関係する相続人が10名、20名と増えるケースもあり、全員の戸籍を取り寄せて協議書を作成する作業は時間と費用がかかります。とはいえ、放置するほど世代がさらに進み、相続人の数はさらに増えていくため、できるだけ早い段階で専門家に依頼して整理に着手することが望まれます。途中段階で遺産分割協議書をまとめて作成する「中間省略型」の登記が可能なケースもあります。

よくある誤解・注意点

数次相続と代襲相続は混同されがちですが、代襲相続は被相続人より先に相続人が亡くなっていた場合、数次相続は被相続人より後に相続人が亡くなった場合と整理できます。両者で必要書類や登記の手順が異なるため、注意が必要です。

関連用語