解説
定期借家契約とは、2000年の借地借家法改正で導入された制度で、契約で定めた期間が満了すると更新されることなく契約が終了する賃貸借契約です。普通借家契約と異なり、貸主が正当事由なく契約を確定的に終了させられる点が大きな特徴です。契約期間は当事者が自由に設定でき、1年未満の短期契約も有効です。契約締結にあたっては、書面(または電磁的記録)による契約と、契約前に「更新がなく期間満了で終了する旨」を記載した書面の事前交付・説明が必要とされます。再契約は可能ですが、それは双方の合意による新たな契約となり、自動的な更新ではない点に注意が必要です。
関連法令・制度
借地借家法第38条が根拠条文です。期間が1年以上の場合、貸主は期間満了の1年前から6か月前までの間に借主に対し終了通知を行う必要があります。通知を欠くと終了を借主に対抗できず、契約は事実上継続する扱いとなる場合があります。
空き家所有者にとっての意味
転勤期間中だけ自宅を貸したい、将来的に建替えや売却を予定しているなど、貸出期間が限定される空き家に適した契約形態です。賃料水準は普通借家契約より若干低めとなる傾向がありますが、確実に物件を取り戻せる安心感があります。リロケーションサービスや単身赴任者向け貸出でも広く採用されています。短期契約・期間限定の利用希望者にも訴求しやすく、活用の柔軟性が高まる点が利点です。空き家を試験的に貸し出して市場性を確認する用途にも適しています。
よくある誤解・注意点
事前説明書の交付を怠ると定期借家としての効力が失われ、普通借家契約として扱われる可能性があります。また、再契約が当然認められるわけではなく、借主にとっては将来の居住継続が保証されないため、賃料設定や入居者募集の難易度に影響することがあります。
