解説
手付金は、不動産売買契約を結ぶ際に、買主が売主に対して支払う金銭で、契約成立の証拠としての性格(証約手付)を持つほか、解約や違約に備える機能も併せ持ちます。手付金の金額は売買価格の5〜10%程度が一般的で、宅地建物取引業者が売主となる取引では売買価格の20%が上限と定められています。手付金は最終的に売買代金の一部に充当されるのが通常です。買主が契約後に都合で解約する場合は手付金を放棄、売主が解約する場合は手付金の倍額を返還することで契約を解除できる「解約手付」の性質を持つのが一般的です。
関連法令・制度
民法第557条に手付による契約解除が定められています。また宅地建物取引業法第39条で、業者が売主となる場合の手付金額の上限(売買価格の20%)と、保全措置の義務が規定されています。
空き家所有者にとっての意味
売主としては、手付金を受け取った段階で契約が拘束力を持ち、相手方が履行に着手する前であれば手付倍返しで解除できる仕組みを理解しておく必要があります。空き家の売主にとって、相続人間の意思決定や他の親族の同意取得が遅れて売却を撤回せざるを得ない場合、手付倍返しの負担が発生する点に注意が必要です。逆に買主側の事情で解約された場合は手付金を取得できますが、再販活動のやり直しも発生します。契約前に親族間の合意形成を済ませておくことが、円滑な取引につながります。
よくある誤解・注意点
「手付金は前払い金」と思われがちですが、性格は契約の担保金です。少額にすると解約しやすくなる一方、契約の拘束力が弱まる側面もあるため、金額設定は慎重に行いましょう。
