解説

都市キャニオン(ストリートキャニオン)は、建物が両側に建ち並んだ街路空間が、まるで谷底のように空が細く見える状態を指します。空気の水平循環が制限されるため、日中にアスファルトや建物外壁が蓄えた熱、自動車やエアコンの人工排熱が滞留しやすくなります。ヒートアイランドを局所的に強める要因の一つです。

建物の高さと道路幅の比(縦横比)が大きいほど都市キャニオン効果は強く現れます。狭い道路の両側に木造家屋が密集する古い住宅街や、路地奥に空き家が並ぶエリアでは、風通しが悪く、夏場の熱がこもりやすい構造になります。

関連法令・制度

都市キャニオン自体を規制する法令はありませんが、都市計画法建築基準法における街区の再整備や、環境省ヒートアイランド対策大綱の「都市形態の改善」「風の道の確保」が対策の枠組みになります。

空き家との関係

古い密集市街地では、空き家の増加により建て替えや再開発が進みにくくなり、都市キャニオン状態が長期化しがちです。狭い道路・行き止まり・路地奥といった街区が空き家のまま残ると、街区全体の風通しと熱環境の改善が難しくなります。寝屋川市の空き家流通促進税など、街区の流動化を促す施策の背景の一つでもあります。

関連用語