解説
長期譲渡所得とは、譲渡した年の1月1日時点における所有期間が5年を超える土地・建物の譲渡所得をいいます。税率は所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%の合計20.315%で、短期譲渡所得(合計39.63%)に比べてほぼ半分の水準となっています。所有期間は譲渡年の1月1日を基準に判定するため、たとえば令和元年6月に取得した不動産を令和6年中に売却する場合、令和6年1月1日時点で所有期間4年6か月となり短期譲渡所得に該当し、令和7年以降に売却すれば長期譲渡所得となります。
関連法令・制度
租税特別措置法第31条に長期譲渡所得の税率が規定されています。相続・贈与により取得した不動産については、被相続人や贈与者の取得時期を引き継いで所有期間を判定する取り扱い(同法施行令等)があります。
空き家所有者にとっての意味
相続した空き家を売却する場合、被相続人の取得時期を引き継いで所有期間が判定されるため、ほとんどのケースで長期譲渡所得となり、税率は20.315%にとどまります。さらに被相続人居住用家屋(空き家)の3,000万円特別控除と組み合わせることで、譲渡益のうち3,000万円までを控除でき、税負担を大きく抑えることが可能です。売却時期や順序を検討する際は、長期・短期の判定を踏まえた試算が役に立ちます。
よくある誤解・注意点
「ちょうど5年で売れば長期」と誤解されがちですが、判定はあくまで譲渡年の1月1日時点であり、実際の所有期間は5年超となるよう注意が必要です。所有期間1日違いで税率が大きく変わるため、年末年始の売却タイミングは慎重に検討するとよいでしょう。※税制は年度ごとに改正されるため、最新の制度は国税庁ホームページでご確認ください。
