解説

譲渡所得税は、不動産などを譲渡したことにより生じた譲渡所得に対して課される所得税および住民税を指す通称です。法律上「譲渡所得税」という独立の税目があるわけではなく、譲渡所得に対する所得税・復興特別所得税・住民税をあわせてこう呼ぶのが一般的です。土地・建物の譲渡所得は分離課税とされ、譲渡年の1月1日時点の所有期間が5年以下であれば短期譲渡所得として税率39.63%(所得税30%・復興特別所得税0.63%・住民税9%)、5年超であれば長期譲渡所得として税率20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)が課されます。

関連法令・制度

所得税法および租税特別措置法第31条(長期譲渡所得)・第32条(短期譲渡所得)に税率の特例が定められています。復興特別所得税は東日本大震災からの復興財源確保法に基づき、令和19年まで所得税額に2.1%を上乗せして課税されます。

空き家所有者にとっての意味

空き家を売却する際は、所有期間によって税率が大きく変わるため、譲渡時期の検討が重要です。相続で取得した不動産については、被相続人の取得時期を引き継いで判定するため、長期譲渡所得に該当することが多くあります。さらに被相続人居住用家屋等の3,000万円特別控除取得費加算の特例など複数の優遇措置があり、適用要件を確認のうえ計画的に売却することで、税負担を抑えることが可能です。

よくある誤解・注意点

所有期間の判定基準日は「売却した日」ではなく「譲渡した年の1月1日時点」です。たとえば令和元年7月に取得した不動産を令和6年8月に売却する場合、令和6年1月1日時点では4年6か月のため短期譲渡所得となります。※税制は年度ごとに改正されるため、最新の制度は国税庁ホームページでご確認ください。

関連用語