解説

同時履行は、売買契約のような双務契約(両当事者が互いに債務を負う契約)において、相手方が自分の債務を履行する提供をするまでは、自分の債務を履行することを拒める権利(同時履行の抗弁権)の根拠となる原則です。民法第533条に規定されています。不動産売買では、買主の代金支払いと売主の引渡し・登記移転が同時履行の関係にあります。実務上は決済の場で、買主が残代金を支払うのと引き換えに、売主が鍵を引き渡し、司法書士が登記申請を行う一連の手続きが同時に進行する形で実現されます。

関連法令・制度

民法第533条に同時履行の抗弁権が規定されています。所有権移転登記の申請は不動産登記法に基づき、通常は代金決済と同日に司法書士が行います。決済の安全を担保する仕組みです。

空き家所有者にとっての意味

同時履行の原則により、売主は買主の代金支払いを確認する前に物件を引き渡す必要はなく、買主も売主の引渡し・登記移転の準備が整う前に代金を支払う必要はありません。これにより両者のリスクが軽減され、安心して取引できる仕組みになっています。実務上は司法書士が立会いのもと、決済日に銀行で代金支払い・書類確認・登記申請を一連の流れで行うのが通例で、所有者は事前に必要書類を司法書士に渡し、当日の段取りを業者と確認しておけばスムーズに進みます。

よくある誤解・注意点

「引渡しの後で代金がもらえない」というリスクは、同時履行の仕組みと司法書士の立会いにより通常は回避されます。決済の流れを業者・司法書士から事前に説明してもらい、安心して臨めるよう準備しましょう。

関連用語