解説
越境物は、土地境界を越えて隣地側にはみ出している物体の総称で、樹木の枝・根、ブロック塀、屋根の軒、雨樋、エアコン室外機、配管、看板など多様なものが該当します。逆に隣地から自分の土地側に越境しているものも同様に扱います。空き家売買では、越境物の有無と内容を契約前に確認し、買主に説明することが宅地建物取引業法上の重要事項説明の一部となります。越境物の処理方法には、撤去・移設・越境物覚書の取り交わしなどがあり、状況に応じて選択します。
関連法令・制度
民法第233条(改正)に枝の越境への対応が、第207条に土地所有権の範囲が定められています。宅地建物取引業法第35条の重要事項説明では越境物の状況を説明する必要があります。
空き家所有者にとっての意味
長らく放置された空き家では、樹木の成長や工作物の劣化により越境が発生しているケースが多くあります。売却前に隣地との境界を点検し、越境物があれば隣地所有者と話し合って対応を決めましょう。すぐに撤去・移設が困難な場合は、越境物覚書を取り交わし、「現状の越境を双方が認識しており、将来の建替えや改修時には越境を解消する」といった内容を文書化することが一般的な対応です。覚書があれば買主への引継ぎもスムーズで、後日のトラブル防止につながります。
よくある誤解・注意点
越境物の存在自体は売却を妨げる絶対的な要因ではありません。誠実に状況を開示し、隣地所有者との合意文書を整えることで、買主の安心感を高め、円滑な取引につなげることができます。
