解説

片手取引は、売主側と買主側でそれぞれ異なる宅建業者が媒介を担い、各業者がそれぞれの依頼者から仲介手数料を受け取る取引形態です。分かれとも呼ばれます。売主と買主それぞれに専属の業者が付くため、両者の利害が対立する場面でも各業者が依頼者の立場に立って交渉でき、両手取引に比べて中立性・公平性が保たれやすい構造となります。米国などでは片手取引(buyer's agentseller's agentが分かれる)が原則です。日本でも、健全な販売活動の指標として片手取引の比率が議論されることがあります。

関連法令・制度

宅地建物取引業法第46条に基づき、各業者は一方の依頼者から法定上限以内の手数料を受け取ります。レインズによる物件情報共有が片手取引の前提となり、登録された物件に他社が買主を紹介することで成立します。

空き家所有者にとっての意味

売主にとって、片手取引は自社の業者が売主側の立場に専念してくれるため、価格交渉や条件調整で自分の利益を代弁してもらいやすい構造です。買主側にも別の業者が付くため、双方の意向を踏まえた合理的な合意形成が期待できます。媒介契約を結ぶ段階で、業者に「他社からの買主紹介も歓迎する姿勢か」を確認することで、結果として片手取引が成立しやすい環境を整えられます。レインズへの登録を徹底し、他社にも情報を開示する業者の姿勢が、片手取引の成立につながります。

よくある誤解・注意点

片手取引が常に良い、両手取引が常に悪いという単純な構図ではありません。重要なのは業者が誠実に販売活動を行い、依頼者の利益を中心に動いているかどうかです。取引形態より姿勢を見極めましょう。

関連用語