解説
不可抗力は、当事者が通常の注意を払っても予防できない、外部からの偶発的な出来事を指す法律用語です。民法上の明確な定義はありませんが、契約上の責任や、不法行為の責任が問われる場面で、「予見できず、回避できなかった事態」として免責の根拠となることがあります。
空き家まわりでの実務
空き家の外壁・屋根・塀が落下・倒壊し、お隣の方や通行人の方に被害が及んだ場合、民法717条「工作物責任」が問題になります。「自然災害だから不可抗力では?」と感じられる方は多くいらっしゃいますが、裁判例では次のような線引きがおおむね定着しています。
空き家所有者にとっての意味
「梅雨の長雨」「夏の台風」程度の気象現象は、通常起こりうる範囲とされる傾向があり、これによって発生した被害については、不可抗力としての免責は認められにくくなります。日常的な点検と整備を怠っていなければ「不可抗力」と説明できる範囲が広がる一方、点検不足は責任を問われる根拠になります。年1〜2回の外観点検と、施設賠償責任保険などの保険を組み合わせた備えが現実的です。
