解説

滅失登記とは、建物が解体や災害等により存在しなくなったことを、法務局の不動産登記簿に反映させるための表題部の登記手続きです。建物の登記情報を抹消する役割を持ち、これを行わないと固定資産税課税台帳と登記簿の情報が乖離した状態が続きます。申請者は建物の所有者で、解体業者から受け取る「取り壊し証明書」「業者の印鑑証明書」「業者の登記事項証明書(法人の場合)」、建物の登記事項証明書、現地の位置がわかる地図などを添えて、建物所在地を管轄する法務局へ申請します。土地家屋調査士に依頼することもでき、その場合の報酬は4〜5万円程度が相場です。地域差があります。

関連法令・制度

不動産登記法第57条により、建物が滅失したときは所有者は1ヶ月以内に滅失登記を申請する義務があります。怠った場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。共有建物の場合は共有者のうち1名が単独で申請できます。

空き家所有者にとっての意味

滅失登記を行わないと、すでに存在しない建物に対して固定資産税が課税され続けることがあり、また土地の売却時に「建物が登記簿上残ったまま」となるため、買主から決済前に滅失登記を求められます。自分で手続きする場合は登録免許税が不要で、書類さえ揃えば数千円程度の交通費・郵送費で完了できます。土地家屋調査士に依頼する場合でも、解体業者が証明書類を整えてくれるため、書類確認だけで進められます。

よくある誤解・注意点

「建物を解体すれば自動的に登記が消える」と考えがちですが、所有者からの申請がなければ登記簿は更新されません。また、未登記建物(登記簿が存在しない建物)の場合は滅失登記ではなく、市区町村への「家屋滅失届」のみで済むことがあります。事前に登記の有無を確認しておきましょう。

関連用語