毎月、国土交通省が公表する『不動産価格指数』は、2010年平均=100を基準に住宅・商業用不動産の価格動向を追えるデータです。マンション価格の上昇ばかりが話題になる一方、中古戸建てに絞って見ると、別の景色が広がっている ことはあまり知られていません。

本記事では、最新の不動産価格指数を中古戸建て(住宅地・戸建住宅)の視点で読み直し、空き家をお持ちの方が6月時点で押さえておきたい3つの変化を整理します。

不動産価格指数のおさらい — 「住宅総合」と「戸建住宅」は別物

最初に、データの構造を整理しておきます。不動産価格指数は3区分(住宅地・戸建住宅・区分所有マンション)と、これらを合成した「住宅総合」で公表されます。

区分指数の対象戸建てとの関係
住宅地更地底地などの土地戸建ての土地部分の動きが表れる
戸建住宅建物と土地を含む中古戸建て空き家売却の主戦場
区分所有マンション中古マンション戸建てとは別物
住宅総合上記3区分の合成マンションの上昇が引っ張る傾向

出典: 国土交通省 不動産価格指数 公表ページ

ニュースで「不動産価格が過去最高」と聞くとき、その多くは住宅総合や区分所有マンションの数字です。中古戸建ては、合成値の陰で別の動きをしている 点に注意して読み解く必要があります。

変化1: 中古戸建ては「ゆるやかな上昇」が長期で続いている

最初に確認したいのは、中古戸建ての指数が、派手な上昇局面ではないものの長期で右肩上がりを続けてきた 事実です。

国土交通省の公表データを長期で並べると、戸建住宅の指数は2013年以降、おおむね110台前半 → 110台後半 → 2024〜2025年は115前後と、緩やかに切り上がってきました。区分所有マンションが200を超える局面に入った一方、戸建住宅は伸び方が穏やかな代わりに、急落も少ない 推移を続けています(出典: 国土交通省 不動産価格指数 報道発表)。

空き家をお持ちの方の視点で言い換えると、

ということになります。判断材料としては、指数の方向性ではなく、ご自身の保有コスト(固定資産税・管理費・補修費)との見合い が前面に出てくる段階だ、と整理できます。

変化2: 住宅地(土地)と戸建住宅(建物+土地)の乖離が広がっている

2つ目は、「土地の指数」と「戸建ての指数」の乖離 です。

国交省の住宅地指数と戸建住宅指数を並べると、住宅地のほうが伸び率は緩く、戸建住宅のほうが上振れしやすい局面が続いています。背景には、

があります。新築の値段が上がると、買い手の予算が中古に流れ込む構造です。

「建物価値ゼロ」前提と査定の差

空き家の売却で多いのが、「築40年だから建物価値はゼロ、土地値しか付かない」とご自身で判断されているケースです。たしかに、減価償却の考え方では木造戸建ての耐用年数は22年なので、築40年では建物の帳簿価値はゼロです。

ただし、実勢の取引価格は帳簿の世界と一致しません。指数が示すとおり、戸建住宅は住宅地より高く動いており、建物が残っているからこその買い手(リノベ前提の個人、買取再販事業者、賃貸転用を考える方)が一定数います。査定を取る前から「建物価値ゼロ」と決め打ちしないほうが、現実的な金額に近づきます。

変化3: エリア差・築年差が広がる「二極化」が鮮明に

3つ目は、戸建住宅の指数の中身に地域差・物件差の広がり が現れていることです。

国交省の公表資料では、指数は全国一本のほか、ブロック別・都道府県別でも整理されています。直近では、

という二極化が進んでいます。「平均」では分からない、お持ちの物件固有の評価 に向き合う必要が大きくなっている、ということです。

REINSの月例レポートと併せて読むのがおすすめ

不動産価格指数は全国・ブロック平均なので、お住まいのエリアの実態と必ずしも一致しません。東日本レインズ・近畿レインズが毎月公表する月例マーケットウォッチを併用すると、対象エリアの成約件数・成約価格・成約㎡単価 を直近で確認できます(出典: 東日本レインズ 不動産市場動向 / 近畿レインズ マンスリーレポート)。

「指数で全体感をつかみ、レインズでエリアを絞る」の二段構えにすると、判断材料が一気に厚くなります。

6月時点でチェックしたい3つの数字

ここまでをまとめると、空き家の売却・保有を6月時点で考える際にチェックしたい数字は、次の3つに整理できます。

チェックする数字どこで見るか何に使うか
戸建住宅の指数(直近月・前月比)国交省 不動産価格指数全国の方向性をつかむ
対象エリアの成約㎡単価(前年同月比)レインズ月例レポートお住まいのエリアの相場を確認
住宅地指数と戸建住宅指数の差国交省 公表データ「土地値前提の査定」が妥当か検証

数字を一度並べておくと、その後の査定や売却相談で「業者の言う相場が高いのか安いのか」を判断する物差しになります。

サントの現場視点

東大阪・八尾・大阪市で空き家のご相談をお受けしていると、「築古だから二束三文」「市場が悪いから今は売れない」と、指数の実態より厳しい前提でご自身を縛ってしまっている方 にしばしばお会いします。

サントは買取再販モデルで中古戸建てを扱っているため、リフォーム需要・賃貸転用需要・解体新築需要のすべてを横断して現況での買取価格 を出せます。指数の全体動向に加え、関西の月例データ・直近の成約事例を踏まえて、保有・売却・活用の3択を一度の査定で並べてご提案できます。査定は最短即日〜3日、現況のまま(残置物・解体・アスベスト調査も自社グループで対応)買取可能ですので、6月時点の数字を一度ご確認いただきたい方はお気軽にご相談ください。

FAQ

Q. 不動産価格指数はどこで誰でも見られますか?

A. 国土交通省のホームページで毎月公表されています。報道発表ページとデータダウンロードページの両方から閲覧できます(出典: 国土交通省 不動産価格指数)。

Q. 中古戸建ての指数は、なぜマンションほど話題にならないのですか?

A. 区分所有マンションの指数の上昇が大きいため、メディアの注目がそちらに集まりやすい構造です。中古戸建ては緩やかな動きですが、空き家所有者の方の関心事としてはむしろこちらが本筋です。

Q. 指数だけで売却の判断はできますか?

A. 指数は全国平均なので、エリアの実態(レインズ月例)と個別物件の状態(築年・接道・再建築の可否)を併せて見る必要があります。指数は「方向性」を、レインズと査定は「金額」を担当する、と分けて考えるのがおすすめです。

まとめ

国交省の不動産価格指数を中古戸建てに絞って読み直すと、(1)ゆるやかな長期上昇、(2)住宅地と戸建住宅の乖離拡大、(3)エリア差・物件差の広がり、の3つの変化が見えてきます。指数で全体感をつかみ、レインズでエリアを絞り、査定で個別評価を取る — この三段構えが、空き家の判断材料を厚くします。

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