「相続した戸建て、そろそろ売却を検討したい」
「マンション価格は高騰と聞くけれど、うちの戸建てはどうなんだろう」
「今すぐ売るべきか、待つべきかの判断材料が欲しい」
相続後の実家をお持ちのご家族から、こうしたご相談を伺います。ニュースで「不動産価格が過去最高」と流れるとき、その多くは 住宅総合または区分所有マンション の数字を指しています。中古戸建ては、実は別の動き方をしていることをご存知でしょうか。
この記事では、国土交通省の 不動産価格指数 をもとに、中古戸建てに絞った3つの変化と、6月時点で確認したい3つの数字をご紹介します。
まず結論として|中古戸建ての3つの動き
- 変化①:中古戸建ては「ゆるやかな上昇」が長期で続いている
- 変化②:住宅地(土地)と戸建住宅(建物+土地)の乖離が広がっている
- 変化③:エリア差・築年差が広がる「二極化」が鮮明に
順にご紹介します。
不動産価格指数の基本|「住宅総合」と「戸建住宅」は別物
まず基本情報として、国土交通省の不動産価格指数は4つの区分で公表されています。ニュースで話題になる「不動産価格」は、この4区分のどれを指しているかで意味が変わります。
| 区分 | 指数の対象 | 戸建てとの関係 |
|---|---|---|
| 住宅地 | 更地・底地などの土地 | 戸建ての土地部分の動きが表れる |
| 戸建住宅 | 建物と土地を含む中古戸建て | 空き家売却の主戦場 |
| 区分所有マンション | 中古マンション | 戸建てとは別物 |
| 住宅総合 | 上記3区分の合成 | マンションの上昇が引っ張る傾向 |
ニュースで「不動産価格が過去最高」と聞く際、その多くは 住宅総合や区分所有マンション の数字です。中古戸建ては、合成値の陰で別の動きをしている点にご注意ください。
変化①|中古戸建ては「ゆるやかな上昇」が長期で続いている
最初に知っておきたいのは、中古戸建ての指数が、派手な上昇局面ではないものの 長期で右肩上がり を続けている事実です。
国土交通省の公表データを長期で並べると、戸建住宅の指数は2013年以降、110台前半 → 110台後半 → 2024〜2025年は 115前後 と、緩やかに切り上がってきました。区分所有マンションが200を超える局面に入った一方、戸建住宅は 伸び方が穏やかな代わりに、急落も少ない 推移が続いています。
空き家をお持ちのご家族の視点で言い換えると:
- 「待てば上がる」局面ではないが、「待つと大きく下がる」局面でもない
- 急いで売る理由も、急いで保有を続ける理由も、指数からは強く出てこない
判断材料としては、指数の方向性より、ご自身の保有コスト(固定資産税・管理費・補修費)との見合い が前面に出てきます。
変化②|住宅地と戸建住宅の乖離が広がっている
2つ目に注目したいのが、「土地の指数」と「戸建ての指数」の乖離 です。
国交省の住宅地指数と戸建住宅指数を並べると、住宅地の伸び率のほうが緩やかで、戸建住宅のほうが上振れしやすい局面が続いています。背景には、次のような構造があります。
- 新築戸建ての建築費高騰(建材・人件費の上昇)
- 「中古を買ってリフォーム」という購買選択の広がり
- マンション価格上昇による、戸建てへの需要シフト
「建物価値ゼロ」前提と査定の差
築30年超の戸建ての査定では、実務では 「建物価値ゼロ」 を前提にした「土地値のみ」の査定が使われることが多くあります。しかし、実際の成約価格は土地値だけでなく、建物の残存価値(+リフォーム前提の需要)が上乗せされることもあります。
戸建住宅指数と住宅地指数の乖離を確認しておくと、「土地値のみの査定」が妥当かどうかの検証材料になります。
変化③|エリア差・築年差が広がる「二極化」が鮮明に
全国平均の指数が上昇していても、その中身は エリアと築年で大きく分かれる 「二極化」が進んでいます。
- 都市部・駅近:新築の建築費高騰の影響を受け、中古戸建てへの需要も強い
- 郊外・駅遠:需要が限定的で、市場が動きにくい
- 築浅(築20年以内):建物価値が残り、リフォーム需要も高い
- 築40年を超えている家:土地値中心、更地渡し・買取が主戦場
「全国的には上昇傾向」というマクロ情報だけでは、ご自身の実家の売却判断はできません。エリア別・築年別のミクロ情報を、レインズの月例レポート等で確認されるのが実務的です。
レインズの月例レポートと併せて読むのがおすすめ
国交省の不動産価格指数はマクロの方向性を示しますが、実際の売却判断には、東日本レインズ・近畿レインズの月例レポートを併せて確認されるのがおすすめです。エリア別の成約件数・成約価格・在庫状況が月次で公開されています。
6月時点で確認したい3つの数字
| チェックする数字 | どこで見るか | 何に使うか |
|---|---|---|
| 戸建住宅の指数(直近月・前月比) | 国交省不動産価格指数 | 全国の方向性をつかむ |
| 対象エリアの成約㎡単価(前年同月比) | レインズ月例レポート | お住まいのエリアの相場を確認 |
| 住宅地指数と戸建住宅指数の差 | 国交省公表データ | 「土地値前提の査定」が妥当かを検証 |
この3つを見比べれば、マクロの方向性、エリア別の相場感、査定手法の妥当性、3つのレイヤーで判断材料が揃います。
サント(東大阪・八尾・大阪市)が対応できる進め方
株式会社サントは、東大阪市・八尾市を中心に大阪府内全域で空き家の買取・再販を行ってきました。マクロ指数だけでは見えない、ご実家固有の相場感を、実例に基づいてご提示します。
よくあるご質問|FAQ
Q1. 不動産価格指数はどこで誰でも見られますか?
はい、国土交通省の 「不動産価格指数」公表ページ で、誰でも無料で閲覧できます。月次で更新されており、全国および都道府県別のデータが公開されています。エクセルでダウンロードして時系列比較することも可能です。
Q2. 中古戸建ての指数は、なぜマンションほど話題にならないのですか?
マンションは首都圏・都市圏で件数が多く、価格上昇のインパクトが大きいため、メディアで取り上げられやすい傾向があります。中古戸建ては地域性が強く、全国平均で語りにくいテーマのため、報道の頻度が低くなります。ただし、実際の空き家売却の現場では戸建てが主戦場ですので、指数を追う価値は大いにあります。
Q3. 指数だけで、売却の判断はできますか?
いいえ、指数だけでは判断が難しいです。指数はマクロ(全国・地域全体)の動きを示すもので、個別物件の売却価格を推計するものではありません。判断には次の要素を組み合わせるのがおすすめです:
① マクロ(指数):全国・地域の方向性
② メゾ(レインズ):エリア別の成約価格
③ ミクロ(査定書):ご自身の物件の実際の査定額
この3つを揃えたうえで、ご家族の状況(相続税期限・特例期限)と照らして判断されるのが安心です。
Q4. 指数が上昇していれば、今売らずに待つべきですか?
戸建住宅指数は緩やかな上昇ですが、「待って上がる伸び」は限定的です。同時に維持コスト(年14〜38万円)が発生し続けます。3年待って指数が3%上昇しても、維持コスト累計が上回る場合もあります。指数の上昇分と維持コストを差し引きした「実質の得失」で判断されるのが実務的です。
Q5. 大阪の中古戸建て市場はどうなっていますか?
近畿レインズのデータによれば、大阪府の中古戸建ては 19か月連続で在庫増(2025年12月時点)となっています。売り物件が増えているため、売主側の競合が強くなっている状況です。ただし、成約価格は前年比プラスを維持しており、市場全体は活発です。売却をご検討でしたら、状態を良く保ち、査定根拠のある業者を選ばれるのが有利となります。
まとめ|指数はマクロ、実務はエリアと築年で見る
中古戸建ての相場を見るポイントを振り返ります。
- 3つの変化:ゆるやかな上昇、住宅地との乖離、エリア・築年の二極化
- 3つの数字:戸建住宅指数、エリア別成約㎡単価、住宅地との差
- マクロ + メゾ + ミクロで判断材料を揃える
- 維持コストとの見合いで判断する
指数だけ、査定だけの判断は限界があります。3つのレイヤーを並べたうえで、ご家族の状況に合わせて判断されるのが最も後悔の少ない進め方です。
東大阪・八尾・大阪市で空き家の査定をお考えの方へ
株式会社サントは、東大阪市・八尾市を中心に大阪府内全域で空き家の買取・再販を行ってきました。マクロ指数の解釈から、エリア別成約事例、ご実家の実際の査定額まで、判断材料を3つのレイヤーでご提供します。査定・ご相談は無料、無理な営業はいたしません。
