相続した実家、登記を後回しにしていたら過料の対象になると聞いて気になっている…」
「3年以内と言われても、相続人が複数いて話し合いが進んでいないので間に合うか不安…」
「親から相続したのは10年前。あの時の名義のまま、というのは今からでもなんとかなる…?」

相続登記の義務化が施行されたのは 2024年4月1日。2026年6月の今、ちょうど施行から 2年 が経過したタイミングです。法務省の公開データでも、申請件数や認知度の変化が見えてきました。

この記事では、義務化の基本ルール(誰が・いつまでに・何をするか)、施行から2年で見えてきた運用状況、過料10万円のリスク、そして 「3年以内に間に合わない」と感じている方への救済策=相続人申告登記 を、出典つきで整理します。

義務化の基本|誰が・いつまでに・何をするか

2024年4月から施行された改正不動産登記法では、相続で不動産を取得した相続人に 3年以内の登記申請 が義務付けられました。これまでは「したい人がする」任意の手続きでしたが、放置すると過料の対象になります。

項目

内容

いつから施行?

2024年4月1日(改正不動産登記法)

誰が義務を負う?

相続により不動産を取得した 相続人

いつまでに申請?

相続による取得を 知った日から3年以内

違反したら?

10万円以下の過料(不動産登記法 第164条第1項)

過去の相続も対象?

2024年4月1日より前の相続も対象(3年の起算は施行日 = 2027年3月末まで)

注意したいのは 「相続が3年以上前でも対象」 という遡及適用の点です。たとえばご両親が10年前に亡くなってそのままになっている実家も、 2027年3月末まで に申請しないと過料の対象になります。

出典:法務省|相続登記の申請義務化に関するQ&A

施行から2年|認知度と申請件数のいま

法務省と東急リバブルが公開している統計データから、施行2年での変化を整理します。

相続登記の申請件数(前年度比較)

年度

申請件数

前年度比

2021年度

123.7万件

+8.8%

2022年度

136.2万件

+10.1%

2023年度

150.3万件

+10.4%

2024年度(12月時点速報)

120万件

+8.8%

義務化前から年率8〜10%のペースで増えていましたが、2024年度はさらに伸びが続いています。年度末(2025年3月)の最終値はさらに増える見通しです。

義務化の認知度(2024年12月調査)

項目

認知率

義務化を「聞いたことがある」

72.9%(前年53%から大幅増)

期限が「3年以内」であると認知

42.8%

既存未登記分への遡及適用を認知

40.4%

義務化の存在は広く知られるようになりましたが、 期限や過去の相続にも遡及適用される点まで知っている方は半数に届いていません。「うちは関係ない」と思っているうちに期限が迫る、というケースが今後増えると見られています。

出典:東急リバブル|法務省、相続登記の件数増加傾向が続く

過料10万円のリスク|どんなときに科されるか

過料はいきなり科されるわけではなく、 段階的な手続き を経ます。

  1. 登記官が義務違反を把握:相続人が現れない不動産の登記事項などから検知

  2. 催告書の送付:「期限内に登記申請してください」と書面で通知

  3. 正当な理由の確認:催告を受けた相続人から事情を聴き、正当な理由があれば通知見送り

  4. 裁判所への通知:正当な理由なく催告期限を過ぎた場合

  5. 過料の決定:裁判所が10万円以下の範囲で過料を決定

「正当な理由」と認められる主な例

  • 相続人が極めて多数で、把握・連絡に時間がかかっている

  • 遺言の有効性や遺産の範囲が争われている(裁判中)

  • 相続人ご本人に重病等の事情がある

  • DVや虐待などで他の相続人と連絡を取ることが危険

  • 経済的に困窮している

逆に「忙しかった」「面倒だった」「親族と仲が悪い」だけでは正当な理由とは認められにくい運用です。

「3年以内に間に合わない」ときの選択肢|相続人申告登記

2024年4月の改正で 新設された救済制度 が「相続人申告登記」です。3年以内に正式な相続登記が間に合わないとき、 とりあえずこちらを申告しておくと過料を回避できる 暫定対応です。

相続人申告登記とは

  • 相続人が法務局に 「私はこの被相続人の相続人です」 と申し出るだけの簡易な手続き

  • 持分の確定や遺産分割協議は不要

  • 必要書類は 戸籍関係書類のみ(被相続人の死亡時の戸籍・申出人の戸籍)

  • 申請手数料は 登録免許税なし

  • 登記簿には「相続人 〇〇〇〇」と肩書きで記録される

通常の相続登記との違い

項目

相続人申告登記

通常の相続登記

申請の難度

易しい(個人でも可)

専門家依頼が一般的

必要書類

戸籍のみ

遺産分割協議書・戸籍・住民票など

登録免許税

無料

不動産評価額の 0.4%

過料の回避

◯(暫定対応)

不動産の処分(売却等)

不可(仮の登記のため)

可能

注意点

相続人申告登記は 「過料回避のための暫定対応」 です。これだけでは不動産を売却・担保提供することはできません。 遺産分割が決まり次第、改めて正式な相続登記が必要 です。

空き家を相続したご家族が確認したい4つのケース

施行2年経過の節目に、相続登記まわりで確認していただきたいケースは次のとおりです。

  • 2024年4月以前の相続で、登記を放置している実家がある → 2027年3月末までに申請を

  • 相続人が多くて遺産分割が進まない → 相続人申告登記で暫定対応

  • 「自分は相続人ではない」と思っている → 念のため戸籍を確認(兄弟姉妹・甥姪が相続人になっているケースも)

  • 実家の今後をご家族で話したい → 売却・解体を含めた選択肢整理

関連記事 相続放棄と相続登記放置の違い では、相続登記放置と相続放棄の使い分けを詳しく整理しています。あわせてご参照ください。

サントが対応できること

株式会社サントは、大阪府東部(東大阪市・八尾市・大阪市東部)を中心に、空き家の買取・再販・解体を自社で一貫対応しています。相続登記については、 リーガルパートナー(司法書士・行政書士・税理士)との連携体制 を整えており、 登記のご相談から、登記後の実家の売却(買取・仲介)・解体まで、ご家族の窓口として一貫してお手伝い できます。

  • 相続登記の組成相談:ヒアリングから設計案のご提案、リーガルパートナーへのお取次ぎまで一括対応

  • 相続人申告登記の活用検討:3年以内に間に合わない場合の暫定対応をご提案

  • 登記後の実家の売却・解体(買取と仲介の両方を比較):登記完了から処分まで一貫

  • 狭小地・底地・借家人付き物件:登記の状況が複雑な物件もご相談ください

FAQ

Q1. 過去の相続も対象、というのは何年前まで遡る?

すべての過去の相続が対象です。 「2024年4月1日より前の相続」については、施行日からカウントして3年以内、つまり2027年3月末まで に申請する必要があります。ご祖父母やご両親が何十年も前に亡くなった案件であっても、登記が完了していなければ対象です。

Q2. 相続人が10人以上いる場合は?

「相続人が極めて多数」は過料の正当な理由として認められやすいケースです。ただし、 相続人申告登記なら多数の相続人がいても各自が単独で申告できる ので、まずこちらで暫定対応されると安心です。

Q3. 相続人申告登記をすると、不動産を売却できますか?

できません。相続人申告登記は 過料を回避するための仮の登記 で、不動産の処分権限を確定するものではありません。売却・担保提供をするには、別途 遺産分割協議を経て正式な相続登記 が必要です。

Q4. 過料はどのくらいの割合で実際に科されている?

施行2年の段階では、 過料の実例はまだ多くは報告されていません。法務省は当面、周知と催告を重視する方針とされています。とはいえ「いずれ科されないだろう」と高をくくらず、期限内対応が安全です。

Q5. 司法書士に依頼すると費用はいくら?

通常の相続登記を司法書士に依頼した場合、報酬は 5〜15万円 が目安です。これに 登録免許税(不動産評価額の0.4%) が加わります。評価額1,000万円なら登録免許税4万円+報酬で、合計 10〜20万円 程度の見込みです。

まとめ|2027年3月末までに、ご家族で確認しておきたいこと

相続登記の義務化は施行から2年が経過し、 申請件数も認知度も伸びてきました。一方で「期限が3年以内」「過去の相続も対象」を知らない方も少なくありません。

ご両親・祖父母から相続した実家で 登記をしていない不動産 がある場合、 2027年3月末までの対応 が安全です。間に合いそうにない場合は 相続人申告登記 で暫定対応する選択肢があります。

「うちは相続人が多い」「遺産分割で話が進まない」「相続人と連絡が取れない」など、ご家庭ごとの事情は多様です。早めに専門家へご相談されると、選択肢が広く保てます。

東大阪・八尾・大阪市の空き家相談はサントへ

株式会社サントは、大阪府東部を中心に空き家の買取・再販を行ってきました。相続登記のご相談(リーガルパートナーと連携)から、登記後の実家の売却(買取・仲介)まで、ご家族の窓口として一貫してお手伝いいたします。査定・ご相談は無料、ご家族での話し合いの判断材料としてもご利用ください。

出典・参考リンク