「相続した実家、いま売り出したら、どのくらいで売れるのだろう」
「新築の価格が上がっているとは聞くけれど、中古はどうなっているのだろう」
「東大阪・八尾の戸建ては、市況的に追い風なのか、向かい風なのか分からない」
空き家をお持ちの方が次の一手を判断されるとき、こうしたお気持ちが浮かんでくる場面はよくあります。結論から言うと、2025年の全国の新築住宅着工は74万戸 — 1963年以来62年ぶりの低水準 でした。一方で、近畿圏の中古戸建ては成約件数が19か月連続で増えている拡大基調 で、東大阪市の平均取引価格も前年から2.0%上昇しています。
本記事では、国土交通省の建築着工統計と不動産情報ライブラリ、近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)の公表データから、空き家をお持ちの方が今、何を見て、どう判断されると方法が広がりやすいかをお伝えします。
全国の取引動向 ① — 新築は62年ぶりの低水準
国土交通省の建築着工統計調査報告によると、2025年(令和7年)の新設住宅着工戸数は 74万667戸 で、前年比6.5%減、3年連続の減少となりました。1963年以来62年ぶりの74万戸台 で、住宅市場全体が長期的な縮小局面に入っていることを示すデータです。
利用関係別の内訳は次のとおりです。
区分 | 戸数 | 前年比 |
|---|---|---|
持家 | 201,285戸 | 7.7%減(4年連続減) |
貸家 | 324,991戸 | 5.0%減(3年連続減) |
分譲(マンション) | 89,888戸 | 12.2%減(3年連続減) |
分譲(一戸建) | 115,935戸 | 4.3%減(3年連続減) |
背景には、建築資材価格と人件費の継続的な上昇、住宅取得層のご年齢の高齢化、世帯数の伸びの頭打ちといった構造的な要因があります。新築の価格が上がるなかで、買い手の方の予算が追いつかなくなっている、という見方が業界で広がっています。
出典:国土交通省 建築着工統計調査報告(令和7年12月分・年計)
関西の取引動向 ② — 中古戸建ては「19か月連続増」
全国で新築が減るなかで、関西の中古戸建ては、まったく別の変化を見せています。
公益社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)のマンスリーレポートによると、近畿圏の中古戸建住宅の成約件数は、2024年6月から2025年12月まで19か月連続で前年同月を上回る 拡大基調です。四半期ベースでも、10期連続で前年同期を上回っています。
時期 | 成約件数 | 前年比 |
|---|---|---|
2025年1〜3月期 | 3,587件 | +19.4% |
2025年4〜6月期 | 3,705件 | +30.4% |
2025年7〜9月期 | — | +16.7% |
2025年12月 | — | +21.9% |
成約価格は、近畿圏平均で2,300〜2,400万円台で推移しており、件数は伸びても価格は急騰しない安定した展開です。とくに 大阪市の中古戸建ては、2025年1〜3月期の成約価格が3,624万円(前年比+7.7%) と、近畿圏のなかでも高水準で推移しています。
なぜ関西では中古戸建てが増えているのか
背景には、次のような流れがあります。
新築建売の価格上昇:関西でも、郊外でも新築建売の販売価格が3,000万円台後半が普通になり、ご予算内で買える新築が見つけにくくなっています
中古戸建ての「築年が古くも検討する」前提の広がり:住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査では、中古住宅の利用割合が34.8%と直近10年で最高、中古戸建ての平均築年数は23.3年に上昇
関西特有の中古ストックの厚み:長屋・連棟・狭小地など、関西の戸建てストックは多様で、価格帯のレンジも広いため、買い手の方が選びやすい
東大阪・八尾・大阪市の取引価格 ③ — 国交省データから読む
個別エリアの変化を、国土交通省の 不動産情報ライブラリ(旧 不動産取引価格情報検索) で見てみると、関西の中心エリアでも価格は底堅く推移しています。
エリア | 指標 | 2026年(令和8年)の変化 |
|---|---|---|
東大阪市 | 中古戸建平均取引価格(2025年) | 1,828万円(前年比+2.0%) |
大阪府全体 | 公示地価平均 | 41万2,022円/㎡(前年比+4.32%) |
大阪府住宅地 | 公示地価 | 54万7,545円/坪(前年比+2.81%) |
大阪府中古一戸建 | 直近3年の価格推移 | +8.81% |
東大阪・八尾・大阪市内ともに、土地価格が緩やかに上がる流れのなかで、中古戸建てもじわじわと価格が支えられています。お持ちの物件が「築年が古い家だから値段がつかない」と思われていても、市況的には数年前よりも条件が整いやすい局面に入っているとも言えます。
2026年度の見通し ④ — 新築は微増、ただし水準は歴史的低位
一般財団法人建設経済研究所(RICE)の建設投資見通しでは、2026年度の新設住宅着工戸数は 前年度比5.5%増の77.7万戸 と予測されています。3年連続の減少から、わずかに増加に転じる見込みです。
注意したいのは、77.7万戸という水準そのものが歴史的にはかなり低い ということです。2000年代前半は年120万戸前後、リーマンショック後の2010年でも80万戸台を維持していました。「前年比プラス」という見出しが出ても、市場規模が大きく回復するわけではありません。
戸建ての文脈では、新築の供給が今後も薄い状態が続く見通しのため、中古戸建ての「予算内の代替案」としての位置は、しばらく支えられそう な局面です。
「進めるなら今」と言われる空き家、「待ったほうがいい」空き家
近畿の中古戸建ては19か月連続増、取引価格も底堅い — このデータから「すべての空き家が今売り時」と読むのは、少し急いだ判断です。市況以外の要素のほうが、結果に大きく影響します。
進めるなら今、と言われやすい空き家
相続から3年が近づいている物件:3,000万円特別控除の期限(相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)を超えると、税負担が大きく変わります
建物の劣化が進みつつある物件:屋根・外壁・水まわりの劣化が進むほど、査定額が下がりやすくなります
狭小地・長屋・連棟・借家人付きなど、市況の追い風で取引が進みやすい物件:近畿の中古戸建ての底堅さは、こうした条件のある物件の方法を広げています
少し待ったほうが良さそうな空き家
再開発や大型インフラ整備の計画があるエリア:地価が今後さらに変化しそうな場合は、自治体の都市計画情報を確認
家族の方の事情でまだ進めたくないお気持ちが強い場合:市況より、ご家族のご状況のほうが大切です
サントの現場から — 関西の買取現場で起きている変化
近畿圏の中古戸建て市場で起きている変化は、サントの買取対応の現場とも整合します。市況データから読み取れる変化として、たとえば次のような変化が見られます。
「築年が古くも検討する」前提が広がりつつある:新築建売が高くなり、買い手の方が「築年が古くも条件の整った物件」を真剣に検討される局面です。狭小地や接道に課題のある物件にも、検討の目が向きやすい時期と見られます
関西特有の物件タイプも市場で進めやすい局面:長屋・連棟・借家人付きなど、関西の戸建てに多い特殊な条件の物件も、買取再販の枠組みであれば対応しやすく、市況の追い風と組み合わせて検討しやすい時期です
3,000万円特別控除の期限を意識される時期:相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までという期限を考えると、相続から2年〜2年半のタイミングで進められると方法が広がりやすい時期です
サントの場合は、自社で解体事業を持っており、グループ会社の サントプラス(遺品整理)・サンリムーヴ(アスベスト調査・除去) でワンストップ対応していますので、現況のままで買取のご相談に応じています。一般市場では進めにくい物件こそ、買取再販の枠組みと現在の中古市況の追い風が、よい組み合わせになりやすい場面です。
査定結果は最短即日〜3日でお返事しています。「他社さんで値段がつかなかった」「相続から時間が経ってきた」「市況の数字を見て、いったん試算してみたい」というお気持ちでも、お気軽にお声がけください。無理な営業はいたしません。
FAQ
Q. 「19か月連続増」と聞きますが、自分の物件はいくらで売れますか?
A. 近畿圏の中古戸建ての成約件数が伸びていることは、市況としては追い風です。ただ、個別の物件価格は、立地・建物状態・周辺の取引事例によって変わります。お持ちの物件のおおまかな金額感をつかむには、国土交通省の 不動産情報ライブラリ で同じエリア・築年数の取引事例を見るのが第一歩です。そのうえで、買取・仲介の両方の査定を取られると、ご自身の物件の「市況のなかでの位置」がはっきりしてきます。
Q. 市況の上昇局面なのに、なぜ「進めるなら今」と言われるのですか?
A. 市況の上昇は、空き家を進める判断のうちの1つの要素にすぎません。それより大きく影響するのが、3,000万円特別控除の期限(相続開始日から3年)、建物の劣化スピード、相続人間の合意のしやすさ、といった「時間とともに変わっていく要素」です。市況が良くても、ご自身の状況のほうが先に進んでしまうと、選べる手段が狭まりやすくなります。
Q. 統計の数字は、自分の判断にどう活かせばいいですか?
A. 1年に2〜3回、近畿レインズの市況レポート(無料公開)や、国交省の建築着工統計・不動産情報ライブラリを確認されるのがおすすめです。具体的には、(1) お持ちの物件のあるエリアの取引事例価格、(2) 近畿圏全体の中古戸建て成約件数の推移、(3) 大阪府の公示地価 — この3つの目を通すだけで、「今のお持ちの物件は、市況のなかでどの位置にいるのか」が読みやすくなります。
まとめ
2025年の全国の新設住宅着工は74万戸で、1963年以来62年ぶりの低水準でした。一方で、近畿圏の中古戸建ては成約件数が19か月連続で増え、東大阪市の中古戸建ての平均取引価格も前年から2.0%上昇する拡大基調です。新築が買いにくくなった反面、中古戸建ての位置づけが徐々に見直されている — これが、関西の市況の現在地です。
とはいえ、市況だけで売却タイミングを決めるのは早計です。3,000万円特別控除の期限、建物の劣化スピード、相続人の方々の合意のしやすさといった「時間とともに変わる要素」のほうが、結果には大きく影響します。市況の追い風が出ている今こそ、お持ちの物件の状況を確認して、方法の幅を確認していただくのに向いた時期です。
東大阪市・八尾市・大阪市で中古戸建てをお持ちの方へ
株式会社サントでは、東大阪市・八尾市・大阪市を中心に、中古戸建て・空き家の買取、解体工事、残置物整理、アスベスト調査などのご相談をワンストップで承っております。
長屋・連棟・狭小地・底地・再建築不可・借家人付きなど、関西の戸建て事情に合わせて、現況のままで確認させていただきます。「他社さんで値段がつかなかった」「市況のなかで自分の物件がどう見えているか知りたい」「相続から時間が経ってきた」という段階でも、現況のまま対応しています。
本記事は一般的な情報提供です。個別の市況判断や税務判断が必要な場合は、税理士などの専門家へご相談ください。
ご連絡の際は「空き家問題研究所の記事を見ました」とお伝えください。
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