遺言は、被相続人が死後の財産処分の意思を書面で残す制度で、民法960条以下に定められています。法定相続分と異なる分配や、相続人以外への遺贈を指定できます。3種類の方式があり、それぞれ作成方法・保管・検認手続きが異なります。ここでは3種類の方式、効力、遺留分との関係を説明します。

遺言の3つの方式

方式作成方法検認
公正証書遺言公証役場で公証人が作成不要
自筆証書遺言本人が全文自筆で作成必要(法務局保管制度利用時は不要)
秘密証書遺言本人が作成、公証役場で秘匿必要

公正証書遺言の特徴

  • 公証人が作成のため無効になりにくい
  • 公証役場で原本保管、紛失リスクなし
  • 費用:財産額により1〜10万円+証人費用
  • 証人2名の立会いが必要

自筆証書遺言の特徴

  • 本人が全文・日付・氏名を自筆
  • 費用不要
  • 2020年7月から法務局保管制度あり
  • 財産目録はパソコン作成可(各ページに署名押印)

遺留分を侵害する遺言

遺言でも、遺留分を持つ相続人(配偶者・子・父母)に対しては、最低限の相続分を保証する必要があります。遺留分を侵害する遺言も無効ではありませんが、遺留分侵害額請求の対象となります。

遺言で指定できること

  • 特定の財産を特定の相続人・受遺者に承継
  • 法定相続分と異なる割合の指定
  • 相続人以外への遺贈
  • 認知(子の認知)
  • 相続人の廃除
  • 遺言執行者の指定

よくあるご質問|FAQ

Q1. 遺言はいつ書けばいいですか?

判断能力が保たれているうちに、早めに書かれるのが安心です。認知症の診断後は無効となる可能性があります。

Q2. 遺言を書き直せますか?

はい、複数回の書き直しが可能です。日付の新しい遺言が有効となります。

Q3. 公正証書遺言と自筆証書遺言、どちらがいいですか?

財産が多い、複雑な分配、確実性を求める場合は公正証書遺言が安心です。シンプルな内容ならご自筆で法務局保管も一つの進め方です。

Q4. 遺言があるのに遺産分割協議はできますか?

相続人全員が合意すれば、遺言と異なる分割も可能です。ただし遺留分を侵害する場合は注意が必要です。

Q5. エンディングノートと遺言は違いますか?

エンディングノートは法的効力なし、遺言は法的効力ありです。エンディングノートで思いを整理し、正式な意思は遺言で残すのが実務的です。

関連する用語・記事

出典・参考リンク

関連用語

関連記事