解説
遺言とは、自分が亡くなった後の財産の処分方法や、認知・相続人の廃除などの身分関係について、生前に書面で意思を残しておく法律上の制度をいいます。法律で定められた方式に従って作成された遺言は、亡くなった後の遺産分割の指針となり、原則として遺言の内容が優先されます。代表的な方式には、自分自身で書く「自筆証書遺言」、公証役場で作成する「公正証書遺言」、内容を秘密にしたまま作成する「秘密証書遺言」があります。空き家や実家の今後について、本人の希望を残しておきたい場面で活用されます。
関連法令・制度
遺言は民法第960条以下に規定されており、方式に違反した遺言は無効となります。2020年からは法務局による「自筆証書遺言書保管制度」が始まり、自筆遺言を法務局で安全に保管できるようになりました。遺言の内容は遺留分の制度による制約を受けることがあります。
空き家所有者にとっての意味
実家や所有不動産について「誰に残したいか」「売却して現金で分けてほしいか」など、具体的な希望がある場合、遺言を残しておくことで意思を明確にできます。特に複数の不動産がある場合や、相続人の間で利用希望が分かれそうな場合に、遺言は判断の基準として大きな役割を果たします。あわせて、遺言執行者を指定しておくと、亡くなった後の手続きを円滑に進めやすくなります。空き家の将来について家族と話す機会と組み合わせて検討することが望まれます。
よくある誤解・注意点
遺言は方式に厳格な決まりがあり、日付の記載漏れや署名・押印の不備などで無効になることがあります。また、遺言で全財産を一人に残しても、他の相続人には遺留分が残されているため、結果として遺留分侵害額請求の対象となる可能性があります。
