解説

相続財産清算人は、被相続人に相続人があることが明らかでないとき、家庭裁判所が利害関係人または検察官の請求により選任する者です。被相続人の財産を調査し、債権者や受遺者への弁済、特別縁故者への分与の手続を経て、残余があれば国庫に帰属させる役割を担います。2023年4月施行の改正民法により、従来の「相続財産管理人」から名称が変更され、清算手続の期間も短縮されました。空き家分野では、相続人不存在で長年放置されている物件の処分にあたって選任されることがあります。実務上は弁護士や司法書士が選任されることが多く、家庭裁判所の監督のもとで財産の換価や債務の整理を進めます。空き家の場合、解体や売却の手続も清算人が代行することができます。

関連法令・制度

根拠は民法第952条以下です。2023年4月施行の改正で、公告期間が整理され、清算手続の合理化が図られました。家事事件手続法に基づき家庭裁判所が所管します。利害関係人には債権者、特別縁故者、市町村などが含まれます。

空き家所有者にとっての意味

所有者本人にとっては、自身の相続後の備えという視点が重要です。法定相続人がいない、または全員が相続放棄をする見込みがある場合、生前に遺言書を作成して帰属先を定めることが現実的な対応です。隣地に相続人不存在の空き家がある場合、市町村や債権者が清算人選任を申し立てて買い取り交渉に進む例もあります。申立てには予納金が必要となるため、費用負担を考慮した検討が必要です。専門家への相談で、申立人として動くか、市町村に情報提供して動きを促すかなどの判断材料を整理できます。相続が発生する前から遺言書の作成や財産の整理を進めておくと、相続人不存在の場合の手続を円滑にする備えとなります。

よくある誤解・注意点

2023年改正前は「相続財産管理人」と呼ばれていました。古い書籍や記事では旧名称が使われていることがあります。また、相続人が一部いる場合は本制度の対象とならず、別途、不在者財産管理人などを検討する必要があります。

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