解説

不動産所得とは、土地・建物・船舶・航空機などの貸付けによって生ずる所得で、所得税法第26条に規定された所得区分のひとつです。計算式は「総収入金額-必要経費」で、賃貸料収入のほか、礼金・更新料・敷金のうち返還を要しないもの、共益費なども収入に含まれます。必要経費としては、固定資産税都市計画税、損害保険料、修繕費、減価償却費、借入金利子、管理委託料、不動産管理に係る通信費・交通費などが認められます。事業的規模(おおむね5棟10室以上)での貸付けの場合、青色申告特別控除65万円や青色事業専従者給与など、追加の優遇措置も活用できます。

関連法令・制度

所得税法第26条に不動産所得の定義があり、所得税法施行令や通達で必要経費の範囲が定められています。事業的規模かどうかの判定(いわゆる「5棟10室基準」)は、青色申告特別控除や貸倒損失の取扱いに影響します。

空き家所有者にとっての意味

空き家を賃貸(普通借家・定期借家)として活用する場合、得られる家賃収入は不動産所得として申告対象になります。最初の数年は修繕費やリフォーム費用がかさみ、減価償却費とあわせて赤字となるケースも多く、他の所得との損益通算により全体の税負担を抑えられる場合があります(一定の制限あり)。空き家を貸し続けるか、売却するかを比較する際には、見込まれる不動産所得の試算が判断材料の柱になります。

よくある誤解・注意点

賃貸を始めると、住宅用地特例(固定資産税)は引き続き受けられる一方、譲渡時にはマイホーム特例(居住用財産の3,000万円特別控除)の適用が難しくなる場合があります。また、青色申告の特典を受けるには事前の届出と要件を満たす必要があり、計画的な準備が大切です。※税制は年度ごとに改正されるため、最新の制度は国税庁ホームページでご確認ください。

関連用語