「実家を売るほどでもないけれど、空き家のまま置いておくのも気が引ける。貸す方向で考えたい…」
「貸せばお小遣い程度の家賃は入ってきそうだけれど、本当に採算が合うのか自信がない…」
リフォームに数百万かかると聞いて、貸し出せる状態にするだけで赤字になりそうな気がしてきた…」

実家を売るか貸すかで迷われるとき、いちばん判断が難しいのが 「貸して採算が合うかどうか」 です。賃貸転用は売却と違って一度では結論が出ず、家賃・コスト・空室リスクを数字で並べないと判断材料が揃いません。

この記事では、東大阪・八尾・大阪市の戸建て家賃相場と、昭和築(築40〜50年)の戸建てを貸し出せる状態にするまでの費用を、公開データから整理しました。あわせて、表面利回りと実質利回りの計算方法もご紹介します。「売る」か「貸す」かの家族会議で、そのまま使っていただける数字一覧です。

「貸して採算が合うか」は、家賃・コスト・空室の3軸で見える

賃貸転用の判断は、感覚ではなく 3つの数字 を揃えてからのほうが、家族間でも合意が取りやすくなります。

  1. 家賃:このエリア・この広さの戸建てなら、月いくらで貸せるか
  2. コスト:貸し出せる状態にするための初期費用 + 毎年かかる固定費
  3. 空室・修繕リスク:年間どれだけ稼働するか、何年で大きな修繕が来るか

3つを並べて表面利回り・実質利回りを計算すると、「貸す」を続けて手元に残る金額が見えてきます。順番に見ていきます。

① 家賃相場|東大阪・八尾・大阪市の戸建て賃貸の現状

戸建て賃貸の専門サイト「こだて賃貸」の2026年公開データによると、大阪府東部の主要3市の戸建て賃貸の家賃相場は次のとおりです。

エリア戸建て賃貸の家賃相場(月額)
東大阪市約5.08万円
八尾市約7.60万円
大阪市約7.19万円

東大阪市は 戸建て賃貸の人気エリア上位 として挙げられており、需要そのものは安定しています。家賃水準は、八尾市・大阪市が同じ大阪府でも頭ひとつ高い傾向です。

ただし、これはあくまで「市の平均」です。実家の家賃を現実的に見積もるときは、次の3点を必ずチェックしてください。

  • 駅徒歩(10分以内かどうかで家賃に1〜2万円の差が出やすい)
  • 築年・リフォーム状況(築40年でリフォーム済みなら相場〜やや上、未改修なら相場の7〜8割)
  • 駐車場の有無(戸建て需要では駐車場の有無が決定打になることが多い)

実家の立地条件が「駅遠・未改修・駐車スペース狭い」のような場合は、上の相場の 7割程度 で見積もるのが安全です。

出典:こだて賃貸|大阪府の一戸建て賃貸の家賃相場

② コスト|昭和築戸建てを貸し出せる状態にするまで

家賃を見たら、次は 「貸せる状態にするまでにいくらかかるか」 です。昭和築(築40〜50年)の戸建てを賃貸転用するときの主な費用項目を、リフォーム業界の公開データから整理しました。

初期費用(貸し出す前にかかる費用)

項目費用の目安
内装リフォーム(クロス・床の張り替え)50〜150万円
水まわり設備の交換(キッチン・浴室・トイレ)100〜300万円
給排水管の補修・更新30〜100万円
耐震補強(必要な場合)100〜300万円
ハウスクリーニング5〜15万円
合計の目安200〜800万円

築40年を超える木造戸建ては 給排水管の劣化気密性の低さ など、見えない部分の傷みが出やすく、想定外の費用が増えがちです。リフォームガイドやSUUMOリフォームでは、築40年以上のフルリフォームで 1,000万円を超える ケースも紹介されています。

毎年かかる固定費

項目費用の目安
固定資産税都市計画税年5〜15万円
火災保険地震保険年2〜5万円
賃貸管理会社への管理料月家賃の5〜8%
退去時の原状回復・募集費用数年ごとに10〜30万円

出典:SUUMOリフォーム|築40年の戸建てリフォームリフォームガイド|築40年戸建てリフォーム

③ 利回り計算|表面利回りと実質利回りで「手元に残る金額」を見る

家賃とコストの数字が揃ったら、 利回り を計算してみます。利回りは「投資額に対してどれくらい収益が出るか」を見る指標で、賃貸転用の採算判断には欠かせません。

表面利回り(ざっくり判断する用)

`` 表面利回り(%)= 年間家賃収入 ÷ 物件取得・改修にかけた総額 × 100 ``

試算例(八尾市・築45年戸建て)

  • 月家賃:7万円 → 年間家賃 84万円
  • リフォーム費:400万円
  • 物件は相続済み(取得費0円と仮定)
  • 表面利回り:84万 ÷ 400万 × 100 = 21%

「相続物件+リフォームのみ」なら表面利回りは高く見えます。ただし、これだけで判断するのは早計です。

実質利回り(現実的な手取りを見る用)

`` 実質利回り(%)=(年間家賃収入 − 年間諸経費)÷ 投資総額 × 100 ``

年間諸経費には次のものを含めます。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料
  • 賃貸管理会社への管理料
  • 修繕積立(将来の原状回復・設備更新に備えた積立)

試算例(同じ八尾市・築45年戸建て)

  • 年間家賃:84万円
  • 固定資産税・保険:合計 10万円
  • 管理料:年 5万円(家賃の約6%)
  • 修繕積立:年 10万円
  • 想定空室率:年1か月(家賃の約8%)= 7万円
  • 年間諸経費合計:32万円
  • 実質家賃:84万 − 32万 = 52万円
  • 実質利回り:52万 ÷ 400万 × 100 = 13%

表面利回り21% → 実質利回り13% と、半分近くまで落ち込みます。これでも全国平均(4〜6%)と比べて十分高いですが、 大きな修繕が発生した年 は、その年の利回りが大きく下がります。築40年超の戸建てでは、 10年に1度くらいは100万円規模の修繕が来る 想定で計画しておくと安心です。

出典:HOME'S不動産投資|実質利回りの正しい計算方法

「貸す」が合うケース、「売る」が合うケース

3つの数字を揃えると、判断軸が見えてきます。

「貸す」が合いやすいケース

  • 立地が良く、家賃相場 月7万円以上 が見込める
  • リフォーム費が 300万円以内 に収まる見通し
  • ご家族のなかに、不動産の保有・管理に抵抗がない方がいる
  • 将来、ご家族の誰かが住む可能性が残っている

「売る」が合いやすいケース

  • 立地が郊外で、家賃相場が 月5万円程度 にとどまる
  • リフォーム費が 500万円以上 かかる見通し
  • ご家族の年齢・健康状態を考えて、長期保有のご負担を減らしたい
  • 相続税・固定資産税の年間負担を圧縮したい

「貸す」を選ばれた場合でも、 5〜10年後の出口(売却) を最初から想定に入れておくと、計画が立てやすくなります。逆に「売る」を選ばれた場合、現況買取なら リフォーム費0円で出口を作れる ため、手元のキャッシュを残しやすくなります。

サントが対応できること

株式会社サントは、大阪府東部(東大阪市・八尾市・大阪市東部)を中心に、空き家の買取・再販・解体を自社で一貫対応しています。「貸す」か「売る」かの判断材料として、次のような形でご相談を承っています。

  • 現況買取査定:リフォーム前提なしで、いまの状態のままの査定額をお出しします
  • 「貸す」「売る」並列試算:家賃見込み・初期費用・想定利回りと、買取価格・税金軽減を並べてご提示
  • 借家人付き物件の買取:いったん貸し出した後、出口で買い取らせていただく選択肢もあります
  • 狭小地・底地・再建築不可:賃貸需要が読みにくい物件でも、買取・再販の経験からご相談に乗ります

よくいただくご質問

Q1. 表面利回り20%なら、絶対に貸したほうが得ですか?

そうとは言い切れません。表面利回りには 修繕・空室・税負担 が反映されていません。実質利回りで見直すと数字が半分以下になることが多く、さらに10年に1度の大規模修繕で利益が吹き飛ぶ年もあります。判断は実質利回り+出口シナリオで行うのが安全です。

Q2. リフォームせずに「現状渡し」で貸すことはできますか?

可能です。家賃は相場の 5〜7割 程度に落ちますが、初期費用を抑えてスタートできます。給排水・電気・ガスなど 生活に直結する設備の最低限の補修 だけ済ませて、内装は借主負担で改装してもらう契約(DIY可賃貸)も増えています。

Q3. 親名義のまま貸し出すことはできますか?

ご両親がご存命で意思確認ができる場合は可能です。相続後の場合は、まず相続登記を完了してから賃貸借契約を結ぶ流れになります。詳しくは別記事 相続放棄と相続登記放置の違い もご参考にしてください。

Q4. 賃貸中の物件でも売却できますか?

可能です。借家人付きのままでの売却(オーナーチェンジ)、または借主の退去を待ってからの売却、いずれの選択肢もあります。サントでは 借家人付き物件の買取 もご相談いただけます。

Q5. 「貸す」を選んで失敗するパターンは?

公開資料に基づいてよく見られるパターンは、 「初期リフォーム費を回収する前に大規模修繕が来た」「想定より入居が決まらず空室期間が長引いた」「相続人が複数いて売却のタイミングで意見が割れた」 の3つです。最初の3年で家賃の予定回収率が想定の7割以下なら、早めに出口(売却)の検討を始められるほうが、損失を抑えやすくなります。

まとめ|「貸して採算が合うか」は3つの数字で判断する

実家を貸す方向を考えるとき、感覚で「いけそう」と思って動かれるより、 家賃・コスト・利回り の3つの数字を並べて判断されたほうが、後悔が少なくなります。

  • 家賃:東大阪約5万円、八尾約7.6万円、大阪市約7.2万円(市平均、駅遠・未改修なら7割で見積もる)
  • コスト:昭和築のフルリフォームは200〜800万円、毎年の固定費も10万円超
  • 利回り:表面と実質では半分近く差が出る。10年に1度の大規模修繕も計画に入れる

そして「貸す」を選んだ場合でも、 5〜10年後の出口 を最初から想定しておくと、判断のやり直しが利きます。リフォームに大きく投じる前に、いったん 現況買取の査定額 を見ておくと、比較材料として強い1枚になります。

東大阪・八尾・大阪市の空き家相談はサントへ

株式会社サントは、大阪府東部を中心に空き家の買取・再販を行ってきました。「貸す」「売る」の比較試算、リフォーム前提なしの現況買取査定、借家人付き物件のご相談まで、地域に根ざした視点でお手伝いいたします。査定・ご相談は無料、ご家族での話し合いの判断材料としてもご利用ください。

出典・参考リンク