「寝屋川市の空き家税のニュースを見たけれど、東大阪や八尾、大阪市でも同じことが起きるのか気になっている…」
「京都市が先に空き家税を進めているらしいけれど、結局どうなっているのか整理されていないのでよくわからない…」
「大阪府の他の自治体に波及するなら、いまのうちに何かを準備したい…」

別記事 寝屋川市の「空き家税」、固定資産税が35%上乗せに? で整理した通り、寝屋川市は2026年6月議会に 「空き家流通促進税」の条例案 を提出しました。可決されれば 市内全域を対象にした空き家税は全国初 となります。

ただし、自治体独自で空き家に課税する取り組み自体は寝屋川市が初めてではありません。 京都市 はすでに2022年に条例を可決し、課税開始に向けて準備を進めています。この記事では、 京都市の経緯寝屋川市との違い東大阪・八尾・大阪市への波及シナリオ を、両市の公開資料から整理しました。大阪府内に空き家を持つご家族にとっての判断材料としてご利用ください。

京都市の「非居住住宅利活用促進税」|2022年可決から2030年開始までの経緯

京都市が創設を進めている空き家税の正式名称は 「非居住住宅利活用促進税」市街化区域内にある居住実態のない住宅(=非居住住宅)が対象です。

これまでの経緯(公開資料から)

時期出来事
2022年3月京都市議会で条例可決
2023年当初の課税開始予定だったが システム開発の影響で延期
2026年度次の課税開始予定だったが 再延期
令和12年度(2030年)京都市公式で 「課税開始予定」 として明示

条例自体は4年以上前に可決済みですが、 システム開発と運用準備 の関係で課税開始は2回延期されています。これだけ長期にわたる準備期間が必要であることが、空き家税の運用の難しさを示しています。

京都市の税率と免除条件(公開資料の要約)

  • 建物:固定資産税評価額 × 0.7%
  • 土地:固定資産税評価額に応じて3段階(0.15〜0.6%)
  • 免除:固定資産税評価額100万円未満(導入から5年間)、京町家など歴史的建造物、賃貸・売却募集中(1年間)
  • 猶予:転勤・介護で一時不在、災害・盗難、生活保護受給、相続後3年間

京都市と寝屋川市の比較|何が同じで、何が違うのか

両市の空き家税を比べると、 共通点と相違点 がはっきり見えてきます。

項目京都市寝屋川市(条例案)
正式名称非居住住宅利活用促進税空き家流通促進税
対象範囲市街化区域内市内全域(全国初)
課税方式評価額 × 0.7%(建物)固定資産税額 × 35%
課税開始予定令和12年度(2030年)2029年度
条例の状態2022年可決済み2026年6月 審議中
免除条件賃貸・売却募集中 など賃貸・売却募集中 など

共通点

  • 自治体独自の 法定外普通税
  • 賃貸・売却募集中の空き家は 免除対象
  • 相続後一定期間の 猶予 あり

違い

  • 京都市は 市街化区域内のみ ・寝屋川市は 市内全域
  • 京都市は 評価額ベース ・寝屋川市は 固定資産税額の上乗せ
  • 課税開始予定は 寝屋川市(2029年度)が先 、京都市(2030年度)が後

「先例」とされる京都市が、寝屋川市より に課税開始を迎える形になります。寝屋川市が可決されれば、 「全国で最初に空き家税が実際に運用される自治体」 になる可能性が出てきています。

京都市の事例から見える3つの波及シナリオ

京都市が条例可決から課税開始まで 約8年 を要したこと、寝屋川市が市内全域での導入を選んだことから、他自治体への波及には次の3つのシナリオが見えてきます。

シナリオA|大阪府内の自治体が個別に検討を始める

寝屋川市の事例は 大阪府内の他自治体への参照例 になります。東大阪市・八尾市・大阪市など、空き家率が高い自治体ほど検討対象になりやすいと見られています。

自治体空き家率(2023年住宅・土地統計調査ベース)
寝屋川市約 15%
東大阪市約 13%
八尾市約 14%
大阪市約 17%

(出典:総務省「住宅・土地統計調査」2023年確定値の自治体公表値より目安として整理)

シナリオB|国の制度改正に組み込まれる

自治体独自税が複数地域に広がった場合、 国レベルで空き家への課税強化が制度化 される可能性があります。 2015年の「特定空家」制度 や、 2023年の「管理不全空家」制度 のように、自治体の先進事例が国の制度に反映されることは過去にも起きています。

シナリオC|波及せず、寝屋川市・京都市の独自運用にとどまる

一方で、自治体独自税は 運用コストと住民負担のバランス が難しく、京都市が8年かけても課税開始に至っていないことから、 他自治体は様子見 を続ける見込みもあります。

3つのシナリオのうちどれが現実になるかは、 寝屋川市の可決時期と運用開始後の効果 次第と見られます。

東大阪・八尾・大阪市は、いま何が起きているのか

2026年6月時点で、 東大阪市・八尾市・大阪市は独自の空き家税を検討中とする公式発表はありません 。ただし、空き家対策そのものは各市で取り組みが進んでいます。

自治体取り組みの例
東大阪市空き家解体補助金空き家バンク、特定空家への措置
八尾市空き家解体補助、空家等対策計画
大阪市空き家除却補助、空家等対策計画

詳しい大阪府東部の補助金情報は、別記事 実家の解体費、半分以下になることも…?|東大阪・八尾・大阪市で使える空き家補助 2026年度まとめ もご参考ください。

寝屋川市の空き家税が 可決→運用開始 に至り、運用が安定すれば、隣接自治体である東大阪市・八尾市・大阪市東部にも検討が及ぶ可能性があります。 「いま議論が出ていないから安心」ではなく、「いま検討の公表が見られない自治体も、3〜5年単位で検討に入る可能性がある」 と捉えると、準備の時間軸が見えてきます。

大阪府内のご家族が、いまから準備したい3つのこと

京都市・寝屋川市の事例から、 空き家税の制度設計に共通する免除条件 が見えてきます。大阪府内に空き家をお持ちのご家族が、いまから準備しておかれると安心な3つの観点を整理しました。

準備①|物件の現状を整理する

  • 現在の 登記名義 はご両親のままか、相続済みか
  • 固定資産税の納税通知書 はどこに届いているか
  • 建物の 築年・延べ床面積・耐震基準 の確認

これらは空き家税の有無に関係なく、 売却・賃貸・解体のいずれを選ぶにも必要な基礎情報 です。

準備②|3つの選択肢を比較する

寝屋川市の空き家税の免除条件と同じく、京都市・他自治体でも採用される可能性が高いのが 「賃貸・売却募集中の空き家は免除」 です。これは、空き家税の有無に関係なく、 所有者にとっての3つの選択肢 を整理する機会になります。

  • 保有を続ける(管理体制を整える)
  • 売却に進める(現況買取仲介・買取再販)
  • 賃貸転用(月家賃と修繕費の収支を比較)

それぞれの収支は別記事 実家を「売る」「持ち続ける」、10年で手取りはいくら違う?|東大阪・八尾の実例で比較してみました実家を貸して、いくら手元に残る?|戸建ての家賃と、リフォーム費用で比較 もご参考ください。

準備③|地域の動向を定期的に確認する

各自治体の 空家等対策計画 や議会の議事録は公開されており、「空き家税の検討」が議題に上がっているかを確認できます。本サイトでも、大阪府東部の自治体動向は引き続き整理していきます。

サントが対応できること

株式会社サントは、 東大阪市・八尾市を中心に、大阪府内全域 で空き家の買取・再販・解体を自社で一貫対応しています。京都市・寝屋川市を含めた他自治体の空き家税動向を踏まえつつ、 大阪府内の空き家 について次のような形でご相談を承っています。

  • 現況のままの買取査定:リフォーム前提なし、現況のままでの査定額をご提示
  • 解体・更地化:自社施工で解体費を抑え、その後の活用も含めてご提案
  • 事業用途への切り替え提案:倉庫・小規模オフィス・コインパーキングなどの方向性
  • 免除条件②を満たす販売活動の開始:寝屋川市・京都市など空き家税の免除条件「賃貸・売却募集中」を満たすご支援
  • リーガルパートナーとの連携:相続登記・税務相談まで窓口一本で対応

FAQ

Q1. 京都市の空き家税は、本当に2030年から開始されますか?

京都市公式では 「令和12年度(2030年)から課税開始予定」 として明示されていますが、過去にも2回延期された経緯があるため、再度延期される可能性も残ります。最新情報は京都市公式サイトでご確認ください。

Q2. 寝屋川市と京都市、両方とも条例が決まったら、東大阪市にも空き家税が広がりますか?

直接の広がりが約束されるわけではありませんが、寝屋川市の運用開始(2029年度予定)から数年経過後、運用効果が明確になった段階で、近隣自治体が検討に入る可能性は高いと見られています。本サイトでも自治体動向は引き続き整理していきます。

Q3. 大阪市内に空き家を持っていますが、いま何を準備すればよいですか?

大阪市は2026年6月時点で独自の空き家税の検討は公表されていません。ただし、 現状の登記・固定資産税の納税状況・建物の現況 を1度整理されておくと、将来制度が変わった場合にも慌てずに対応できます。

Q4. 京都市内に空き家を持っていますが、2030年開始は確実ですか?

京都市公式では 2030年度開始予定 として準備が進められていますが、過去の延期事例から、再度延期される可能性もゼロではありません。京都市の所有者の方は、2030年に向けて 賃貸・売却募集を始める など免除条件を満たす方向で準備を進められると安心です。

Q5. 京都市・寝屋川市以外で、検討中の自治体はありますか?

2026年6月時点で 市内全域対象として公表されているのは寝屋川市が初 です。京都市以外で具体的な条例案・検討公表に踏み込んだ自治体は、公開資料からは確認できていません。

まとめ|ご家族で「他自治体の動向」を踏まえて準備する

京都市の 「非居住住宅利活用促進税」 は2022年に条例可決済みで、 令和12年度(2030年) から課税開始予定です。寝屋川市の 「空き家流通促進税」 は2026年6月議会に提出され、可決されれば 市内全域対象として全国初 となります。

両市の事例から、波及には3つのシナリオが見えてきます。

  • シナリオA:大阪府内の他自治体が個別に検討を始める
  • シナリオB:国の制度改正に組み込まれる
  • シナリオC:波及せず、寝屋川市・京都市の独自運用にとどまる

どのシナリオになるかは現時点では見通せませんが、 賃貸・売却募集中の空き家は免除 という設計は、両市で共通しています。これは空き家税の有無に関係なく、ご家族で 「物件の現状整理→3つの選択肢比較→地域動向の定期確認」 を進めておくことが、結果として将来のリスクへの備えになります。

判断のタイミングは 「自分の自治体で話題になる前」 。物件状況や家族構成を踏まえて、 リーガルパートナーを持つ業者 に1度ご相談されると、税務・登記・売却・賃貸転用までを一本の窓口で進められます。

東大阪・八尾を中心に大阪府内の空き家相談はサントへ

空き家税の動向は、東大阪・八尾・大阪市など大阪府内の他の自治体にも影響が及ぶ可能性があります。 「空き家を持っているけれど、これから何を準備しておけばよいか」 という段階のご相談から、 「もう売却に進めたい」 という段階のご相談まで、サントでは無料で承っています。寝屋川市・京都市を含む大阪府内・近隣からのご相談に対応しています。

出典・参考リンク