「相続した実家、話し合わないままもう半年が過ぎていて焦っている」
「兄弟で日程が合わず、家族会議もできていない」
「保有と売却、どちらがよいか比べる材料が揃わない」
お盆前になると、こうしたご相談が寄せられます。相続した実家は「そのままにしておく」だけでも、実は毎年10万円以上の負担が発生していきます。10年で見ればその差はさらに広がっていきます。
この記事では、東大阪・八尾の実例をもとに、保有を続けたときと 売却へ進んだとき の10年スパンでの手取り差を、数字で並べてご紹介します。夏のうちに判断材料をご家族で共有されると、次の一歩が見えやすくなります。
「半年止まっている」ご家族に共通する3つの理由
相続後に判断が止まっているご家族には、いくつか共通する理由があります。データではなく、実際にご相談を受ける中で見えてきた傾向をご紹介します。
1. 判断のスタートを切るタイミングを迷っている
「亡くなった直後は葬儀と相続手続きで手一杯」「四十九日が終わった頃は仕事が忙しくて」「相続登記が済んだ頃には気持ちが落ち着いてしまった」——多くのご家族は、判断のスタートを切るタイミングを見失ったまま数か月が過ぎています。
スタートを切るきっかけは、ご家族の集まりから生まれることが多くあります。お盆・お正月・法事といった、ご兄弟が顔を合わせる機会が「そういえば実家をどうしよう」の話し合いにつながります。
2. 保有と売却の比較材料が並んでいない
「なんとなく売った方がよさそう」「なんとなく持っていた方がいい」というモヤモヤの正体は、比較する数字が手元に揃っていないことです。年間コスト、10年で見た累計、売却したときの手元残額——これらが並べば、ご家族の判断材料が整います。
3. 待っている間にご家族の事情が変わる
1年、2年と時間が経つ間に、ご両親の健康状態が変わったり、ご兄弟の転勤・お子さんの進学など、ご家族側の事情も変化していきます。判断のタイミングを逃すと、話し合いのメンバーや条件が変わってしまい、判断がさらに難しくなることもあります。
①保有を続けた場合|年間コストとリスクを見ていきます
まず「保有を続ける」場合の年間コストを、東大阪の戸建て空き家(土地50坪、木造、築40年)の実例で並べます。
戸建て空き家の年間コスト目安
| 項目 | 年間コスト目安 |
|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 5〜15万円 |
| 火災保険・地震保険 | 2〜5万円 |
| 電気・水道の基本料金(停止しない場合) | 2〜3万円 |
| 庭木剪定・草刈り(年1〜2回) | 2〜5万円 |
| 見回り交通費(遠方の場合、年4〜6回) | 3〜10万円 |
| 合計の目安 | 14〜38万円/年 |
10年で計算すると 140〜380万円 です。これは「何もしなくても出ていく」お金です。加えて、突発的な出費が発生することもあります。
保有を続けたときのリスク
- 建物の傷み:屋根の雨漏り、外壁のひび、シロアリなど。修繕費は一度に数十万円〜数百万円
- 台風・地震での損傷:大阪府北部地震や台風21号の後、修繕依頼で外壁補修に80万円というご相談も
- 特定空家に指定されるリスク:市町村から「特定空家」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が外れて税額が最大6倍になります
- 近隣とのトラブル:雑草・害虫・不審者の出入りなど、ご近所からのご連絡が生じる場合も
「保有すれば資産として残る」というのは、建物と土地の価値が維持される前提でのお話です。実際には 築年数が経つほど建物価値は下がり、逆に維持コストは増えていく 構造にあります。
②売却へ進んだ場合|夏のうちに進めると有利な3つの理由
もう一方の道が「売却へ進む」場合。夏のタイミングだからこそ有利な点を3つご紹介します。
利点1|お盆の帰省で実家を実物で確認できる
お盆の帰省は、ご家族が集まって実家の現況を実物で確認できる、年に数回の機会です。「屋根の傷み」「庭の様子」「家具の残り具合」を、ご兄弟全員で見て回れると、後の話し合いで認識のズレが生じにくくなります。
利点2|親族が集まる場で話し合える
相続の話し合いは、電話やLINEでは進めにくい話題です。ご兄弟・ご親族が集まる場でだからこそ、「そろそろ考えないと」という空気が生まれます。この時期に判断材料を揃えておかれると、話し合いが具体的に進みます。
利点3|年内引き渡しのスケジュールに乗せられる
夏に判断を始めれば、売却完了は10〜12月、確定申告の翌年2〜3月というスケジュールになります。空き家3,000万円特別控除の対象期間内に確実に間に合わせるためにも、夏のスタートは適したタイミングです。
売却したときの手元残額(東大阪の実例)
東大阪の実家(土地50坪、木造築40年)を、買取と仲介それぞれで売却したときの手元残額を並べます。
| 区分 | 買取(サント例) | 仲介売却 |
|---|---|---|
| 表示価格 | 1,200万円 | 1,500万円 |
| 仲介手数料 | 0円(自社買取のため不要) | △50万円 |
| 解体費(築40年の木造) | 0円(業者側で対応) | △200万円(買主の建替え前提で売主負担) |
| 残置物処分・諸経費 | 0円(現況のまま買取) | △50万円 |
| 譲渡所得税(3,000万円控除適用) | 0円 | 0円 |
| 手元残額 | 約1,200万円 | 約1,200万円 |
| 売却までの期間 | 最短1か月 | 3〜6か月 |
| 期間中の保有コスト・対応稼働 | ほぼなし | 固定資産税の按分 10〜20万円+内見対応 |
この例では、表示価格は仲介が300万円高いのですが、解体費や諸経費を差し引くと手元残額はほぼ同じです。売却期間の差(1か月と3〜6か月)と、その間の保有コストや内見対応の稼働を考えると、ご家族の負担は買取のほうが軽くなっています。
10年で見ると差はどれくらい広がるのか
今売却して1,200万円を得た場合と、10年保有を続けてから売却した場合を、単純比較で並べます。
| シナリオ | 10年後の手元 |
|---|---|
| いま売却して1,200万円を受け取る | 1,200万円(+運用益) |
| 10年保有後に売却(維持コスト累計 △140〜380万円) | 820〜1,060万円 ─ 建物価値下落分 |
10年保有した場合、年14〜38万円の維持コストが累計140〜380万円になります。加えて建物の価値は下がっていき、10年後の売却価格は今より下がる可能性が高くなります。10年間、実家の見回り・草刈り・修繕対応にご家族の時間も投じられます。
「保有しても資産として増えない」「維持コストと時間が減り続ける」という構造が、多くの空き家で見られます。
買取と仲介、どちらがご家族に向いているか
| 観点 | 買取 | 仲介 |
|---|---|---|
| 表示価格 | 仲介の80〜90% | 市場価格(高め) |
| 解体費(築年が古い家) | 業者側で対応 0円 | 売主負担になりがち 200〜400万円 |
| 仲介手数料 | 不要 | 必要(3%+6万円+税) |
| 実質手取り | 築年が古い家では買取が上回る場合も | 解体費で目減りする場合あり |
| 売却までの期間 | 最短1か月 | 3〜6か月 |
| 片付け・残置物 | 不要(現況買取可) | 必要 |
| ご近所への配慮 | 静かに進められる | 内見対応あり |
| 売れ残りリスク | なし | あり |
「表示価格の高さ」だけを見比べると仲介が有利に見えますが、諸経費と期間、ご家族の稼働まで含めた 実質手取り で見ると、多くの築古戸建てでは買取が同等以上になる場合もあります。ご家族の状況に合わせて、両方の見積もりを取って比較されるのがおすすめです。
サント(東大阪・八尾・大阪市)が窓口としてお手伝いできること
株式会社サントは、東大阪市・八尾市を中心に大阪府内全域で空き家の買取・再販を行ってきました。ご家族の状況をお聞きした上で、「保有」「買取」「仲介」の3パターンを並べた資料をご用意します。
- 3パターン並列(保有/買取/仲介)の手元残額シミュレーション
- 現況のままでの買取査定(リフォーム・解体不要)
- 相続登記未了の実家も リーガルパートナー連携 で対応
- 遠方所有者に代わる 現地確認・写真報告
- 狭小地・底地・借家人付き物件の個別相談
よくあるご質問|FAQ
Q1. 兄弟姉妹で意見が分かれているときは、どう進めればよいですか?
「保有派」「売却派」で意見が分かれるのはよくあることです。その場合はまず、両方の 数字を並べた比較資料 を出発点にされるのがおすすめです。感情論だけの話し合いでは平行線になりがちですが、「10年保有すると累計〇〇円、いま売却すると手元〇〇円」という数字が並ぶと、次のステップが見えやすくなります。サントでは3パターン並列の比較資料をお渡ししています。
Q2. ご両親がお元気だと、売却の話は進められませんよね?
ご両親がお元気なうちに ご家族で話し合いを始めておく ことは、多くのご家族で行われています。「認知症の診断が下りると契約手続きが難しくなる」というリスクを避けるため、家族信託・任意後見といった制度と組み合わせて話し合っておくご家族もいらっしゃいます。売却の実行はご両親の意向を最優先にしつつ、判断材料だけ揃えておくと安心です。
Q3. 半年・1年止まったままだけで、本当に何か変わりますか?
変わります。1年で 維持コスト 14〜38万円 が積み重なり、建物価値も年 2〜5% ずつ 下がるとされています。加えて、空き家3,000万円特別控除の期限(2027年12月末)が近づき、相続登記義務化の期限(2027年3月末)も迫っています。時間の経過そのものが、判断の余地を狭めていく側面があります。
Q4. 買取と仲介、うちの実家にはどちらが向いていますか?
ご家族の状況で分かれます。参考の判断軸をご紹介します:
買取が向いているご家族:遠方在住/早期に手放したい/築年数が経過/狭小地・底地・借家人付き/相続人が多く時期を合わせたい
仲介が向いているご家族:好立地/築浅/時間に余裕がある/少しでも高く売りたい
両方の見積もりを取って比較されるのがおすすめです。サントでは両方の想定価格を並べた比較資料をお渡ししています。
Q5. 夏のうちに進めないとダメですか?
絶対にダメというわけではありません。夏のタイミングは ご家族が集まりやすいため、判断の入り口としては都合がよい時期です。年内の売却完了を目指すなら夏スタート、翌年春以降でよいならお正月スタートでも十分間に合います。大切なのは「止まったままにしない」ことです。
まとめ|ご家族で保有と売却の数字を並べてから決める
実家が半年以上止まっているとき、判断材料を揃えて話し合いを進めるのが最初の一歩です。要点を振り返ります。
- 保有の年間コスト:14〜38万円/年(10年で140〜380万円)
- 売却の手元残額:東大阪の実例で買取・仲介いずれも約1,200万円
- 夏のタイミング:ご家族が集まる、実物確認、年内完了スケジュールに乗る
- 買取と仲介:表示価格ではなく実質手取りと期間・稼働で判断
「なんとなく」で保有を続けているうちに、10年で数百万円のコストと機会が失われていくことがあります。夏の帰省でご家族が集まるタイミングに、数字を並べて話し合われるのが、次の一歩を踏み出すきっかけになります。
東大阪・八尾・大阪市で空き家のご相談ならサントへ
株式会社サントは、東大阪市・八尾市を中心に大阪府内全域で空き家の買取・再販を行ってきました。「保有」「買取」「仲介」の3パターンを並べた判断資料の提供から、現況のままでの買取、確定申告のサポートまで、ご家族の窓口として一貫してお手伝いいたします。査定・ご相談は無料、判断材料としてご利用いただけます。
