「実家の売却を検討しているが、梅雨は避けたほうがいい?」
「秋まで待ったほうが高く売れるという話も聞くけれど、根拠が分からない」
「その間の維持費や、空き家控除の期限を考えると、待つ判断も難しい」

相続で実家を持たれたご家族から、こうしたお声を伺います。「梅雨は不動産の売買が止まる」というのは業界でよく耳にする通説ですが、実際のところ、公的データで検証するとどう見えるのか。この記事では、REINS(不動産流通機構)と国土交通省の6月データをもとに、通説と実態のギャップをご紹介します。

まず結論として|「梅雨は売れない」は通説どおりではない

先に結論から申し上げます。公的データを確認すると、次の点が見えてきます。

  • 首都圏の中古戸建て・マンションともに、6月の成約件数は前年比プラス となる年が多い
  • 近畿圏(関西)は6月〜9月にかけて成約件数の伸びが続く傾向
  • 国交省の不動産価格指数では、6月に住宅価格が下がる年はない(緩やかな上昇基調)

「梅雨は売れない」という通説は、内見予定のキャンセルなど 実務側の体感 を反映していますが、成約件数・価格そのものは大きく落ち込まない というのが公的データの示すところです。

通説の根拠|「梅雨は不動産の売買が止まる」と言われる4つの理由

そもそもなぜ「梅雨は売れない」と言われるのか、業界での通説の根拠を並べます。

通説の根拠中身
内見が雨で減る現地確認のキャンセルが増え、内見件数が落ちる
物件の印象が下がる湿気カビ・雨染みで第一印象が悪くなる
引越しの閑散期と重なる1〜3月の繁忙期が終わり、夏休み前の谷間
夏のレジャー優先関心が住み替えから旅行・帰省へ移る

これらの理由自体は事実に近いのですが、成約件数への影響が「通説ほど大きいのか」を検証していきます。

検証① 首都圏中古マンションの6月成約件数

東日本レインズが公開する月例マーケットウォッチによれば、首都圏中古マンションの6月成約件数は、近年ほぼ横ばい〜前年比プラス で推移しています。2024年6月度のサマリーでも、大きな落ち込みは確認できません。

季節変動の影響は「1〜3月がピーク」「8月が閑散」の型が強く、6月は 年間平均に近い水準 でとどまっています。「梅雨だから成約件数が半減する」という現象は、公的データ上では発生していません。

検証② 首都圏中古戸建ての6月成約件数

中古戸建てについても、6月の成約件数は緩やかな推移を示しています。首都圏のデータでは、6月の成約件数は前年比プラスの年が多く、価格帯によっては伸びが加速している傾向も見られます。

特に、築古戸建て・郊外の戸建てなど、買取再販業者が積極的に買う物件 は、季節変動の影響が小さくなっています。買取再販業者は年間を通じて仕入れを行うため、梅雨だからといって買取を止めることはありません。

検証③ 近畿圏(関西)の6月の動き

近畿レインズの月次データによれば、大阪府の中古マンションは 7期連続で成約件数増(2025年4〜6月期時点)を記録しています。中古戸建てについても在庫の伸びが続いており、市場全体としては活発な状況が続いています。

関西では、首都圏よりも 梅雨明け後(7〜9月) にかけて住み替え需要が伸びる傾向が指摘されています。首都圏の3月一極集中型とは異なるリズムで、通年を通した売買が成立しやすい市場です。

検証④ 国土交通省「不動産価格指数」で見る6月の価格

不動産価格指数 2025年6月時点

国土交通省の不動産価格指数は、全国と地域別に不動産取引価格の推移を月次で公開している公式データです。2025年6月時点の季節調整値は次のとおりです。

区分2025年6月の季節調整値前月比
住宅総合144.1+0.7%
戸建住宅118.8+0.3%
区分所有マンション上昇トレンド継続プラス

2010年平均を100として、6月時点でも 前月比プラス となっています。「梅雨で価格が下落する」という現象は、公的データ上では観察されていません。

通説と実態のギャップ|なぜズレるのか

「梅雨は売れない」という通説と、公的データが示す実態のギャップの原因は、実務側の体感が業界内で語り継がれていることが大きいと考えられます。

  • 内見予約のキャンセル:担当者から見れば「案内が減っている」実感につながる
  • 売主からの相談件数の変動:問い合わせのタイミングは季節に影響される
  • 写真映えの問題:雨の日の写真は室内も薄暗く、Web掲載の見栄えが下がる

ただし、成約に至る買主の絶対数は6月でも大きく落ち込みません。むしろ、6月〜8月に住み替えを検討し始める買主は「秋までに買いたい」というスケジュールがあるため、この時期に売り出す物件を積極的に検討する層でもあります。

売り出し時期を考えるときの3つの判断材料

判断材料1|特例期限との突き合わせ

空き家3,000万円特別控除2027年12月末 までの譲渡が対象、相続登記義務化の期限は 2027年3月末 です。売却完了までのスケジュール(3〜6か月)を逆算すると、「秋まで待つ」判断は特例の対象期間を圧縮するリスクがあります。

判断材料2|維持コストの累計

空き家の年間維持コストは 14〜38万円固定資産税・保険・草刈り等)です。3〜4か月待つと 4〜13万円 が積み上がります。この分を秋の売却で上乗せ回収できるかは、判断のポイントです。

判断材料3|物件タイプ別の適性

  • 好立地・築浅:秋の需要期に売り出す設計も有力
  • 築年数が古い・郊外:買取再販業者に向くため、季節を問わずに進められる
  • 湿気・カビの懸念がある物件:梅雨明け後の方が第一印象が向上

物件タイプで判断が変わりますので、「梅雨だから避ける」ではなく、物件の特性と時期を突き合わせて設計 するのがおすすめです。

サント(東大阪・八尾・大阪市)が対応できる進め方

株式会社サントは、大阪府東部を中心に空き家の買取・再販を行ってきました。梅雨・夏・秋いずれの季節でも、買取なら1〜2か月で売却完了 できます。仲介との比較資料もあわせてご提供しております。

  • 直接買取査定と仲介想定価格の 並列比較資料
  • 相続税・特例期限との 逆算スケジュール のご相談
  • 現況のままでの買取(湿気・カビ・傷みそのまま)
  • グループ会社サントプラスで遺品整理・不用品処分
  • 狭小地・底地・借家人付き物件の個別相談

よくあるご質問|FAQ

Q1. 梅雨に売り出しを始めた場合、内見数が減ってしまいませんか?

雨の日の内見予約のキャンセルは実際に発生します。ただし、成約件数の絶対値 は公的データで見る限り大きな影響はありません。梅雨で内見が減った分、翌週や梅雨明けに集中する傾向もあります。物件の状態を良く保ち、写真・情報の質を高めておくと、天候の影響を抑えられます。

Q2. 梅雨の時期は、査定額に影響しますか?

査定額そのものは、季節ではなく 近隣の直近成約事例 をベースに決まりますので、梅雨だから低くなるということはありません。ただし、査定時の物件状態(湿気・カビ・雨染みなど)で減点が入ることはあります。査定前に軽くハウスクリーニングをされると、査定額の下振れを避けられます。

Q3. それでも秋まで待ったほうがよい場合はありますか?

好立地・築浅の物件、リフォーム後に売り出す予定の物件、値下げしない前提で待てる予算のあるご家族などは、秋の需要期(9〜11月) に売り出す設計も有効です。ただし、待つ間の維持コスト(月1〜3万円)と、特例期限(3,000万円控除は2027年12月末)を突き合わせて判断されると安心です。

Q4. 仲介と買取で、季節の影響はどのくらい違いますか?

仲介は買主候補(一般個人)を探すため、内見件数など季節の影響を受けます。一方、直接買取 は業者自身が買うため、季節に関係なく1〜2か月で売却完了できます。急ぎで手放したい、季節を待たずに進めたい、というご家族には買取が向いています。

Q5. データはどこまで信頼できますか?

本記事で引用したデータは、東日本不動産流通機構(REINS)、近畿レインズ、国土交通省の 公式統計 です。REINSは業界指定流通機構で、成約情報の登録が義務付けられているため、市場の実態を最も正確に反映するデータとされています。国土交通省の不動産価格指数も、公式に月次で公開されている公的統計です。

まとめ|通説より公的データで判断する

「梅雨は売れない」通説と実態のギャップを振り返ります。

  • 首都圏中古マンション:6月成約件数は前年比プラスの年が多い
  • 首都圏中古戸建て:緩やかな上昇、買取再販は季節に影響されず
  • 近畿圏:関西は通年を通した売買が成立しやすい
  • 不動産価格指数:6月も前月比プラス、下落はしていない

「梅雨は避ける」より、物件の特性と特例期限・維持コストを突き合わせて売り出し時期を設計されるのが、手取り最大化の近道となります。

東大阪・八尾・大阪市で空き家の売却タイミングをお考えの方へ

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出典・参考リンク