「親が元気なうちに、実家のことを少しだけ話しておきたい」 — そう思いながらも、最初のひと言がなかなか出てこない方は多いと思います。実家の話題は、家族にとって少しデリケートだからこそ、自然なタイミングをつかむことが大切です。
近年公表された複数の意識調査では、実家や相続について 「必要だと感じている人」と「実際に話し合えている人」のあいだに大きな差 があることが報告されています。本記事では、最近の公的調査・大手企業調査から、実家のことを家族で話し合うきっかけとなった 3つの場面 と、話を進めやすくするコツを整理します。
民間調査で見えた「話し合えていない家族」の実態
株式会社すむたすが2025年末に実施した『実家じまいに関する意識調査』では、親子で実家じまいについて話し合っている家庭の割合は 32.5% で、約7割の家庭ではまだ具体的な会話に至っていないと報告されています(出典: PR TIMES プレスリリース)。話し合わない理由として最も多かったのは「まだ具体的に考えていない」というものでした。
また、PGF生命の『「おとなの親子」の生活調査2024』(70歳以上の親がいる40〜69歳の男女2,000名対象)でも、親子で生前贈与や相続について「協議したことがある」と回答した方は 18.9% にとどまり、親の資産内容を把握していない方が 約7割(69.7%) にのぼると報告されています(出典: PGF生命 調査結果)。
さらに、内閣府の『令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)』では、終活関連の準備として「財産の整理(相続の準備等)」を進めている高齢者は 13.6% で、「いずれも準備をしていない」が 40.0% に上っています(出典: 内閣府 令和6年度調査結果)。
つまり、
必要だと多くの方が感じている
でも実際の会話には進めていない
という構図は、子世代・親世代の双方に共通している傾向だといえます。
話し合いのきっかけになった「3つの場面」
各調査やインタビュー記事で、「実家のことを家族で話すきっかけ」として共通して上位に挙がるのが、次の3つの場面です。
場面1: ご自身が住まいを購入・住み替えしたとき
オープンハウスグループとLIFULL HOME'Sが2024年に実施した『家じまいに関する共同調査』では、家じまいを検討したきっかけとして「使う見込みがなく、家の維持・修繕が大変になった」(検討者29.1%)に加えて、ご自身の住まい選びの経験が話題の入口になったという回答が複数報告されています(出典: LIFULL ニュースリリース)。
「自宅を購入したから、親に住まいの話を切り出しやすくなった」「子どもの進学で住み替えた経験から、実家の手続きが具体的に想像できた」といった声があり、自分の住まいに関する経験を切り口にする ことで、親御さんも構えずに耳を傾けてくれる傾向があります。
場面2: ご親族(祖父母・親戚)の相続が話題になったとき
近しい方の相続が発生した直後は、家族のあいだで自然と「うちはどうする?」という話に発展しやすい時期です。前述のオープンハウス×LIFULL調査でも、「家族や親族の死別」がきっかけ上位に挙がっています。
具体的には、
ご親族(おじ・おば)の相続が発生した
祖父母の遺産分割を身近で見た
といった場面で、「ちょうどよい話題のフック」が生まれます。直接「実家を売る・残す」の話から入るのではなく、他の家庭の事例を介してやわらかく入る のが、進めやすいポイントです。
場面3: 親御さんの入院・体調変化があったとき
調査によっては、この場面が最も多く挙がります。親御さんの入院や体調の変化があった直後は、家族の意識が「これからのこと」に向かうため、実家の今後についても話し合いの場が自然に生まれます。
ただし、この場面で初めて話し始めると、判断のための時間や情報を十分に揃えにくいという声も聞かれます。日本経済新聞の取材記事(2025年8月公開)でも、実家じまいに関する調査結果として「7割が親子で相談していない」現状が紹介され、早い段階から少しずつ話題にしておくこと の重要性が指摘されています(出典: 日本経済新聞)。
「切り出し方」のヒント
調査やインタビューで報告されている、話を進めやすかった切り出し方の傾向です。
1. 自分が学んだことから入る
「最近、家の値段を調べてみたんだけど」「相続税の制度が変わるって聞いてさ」と、ご自身が調べたこと・学んだこと から入ると、親御さんも警戒せずに聞いてくれる傾向があります。
2. 「いま決める」ではなく「いま知っておく」スタンス
「すぐに決めなくてもいいけれど、選択肢だけ整理しておきたい」という前置きで切り出すと、親御さんも自然に乗ってきやすい、と複数の調査で報告されています。すむたすの調査でも、話し合いが進んだ家庭の話題で最多だったのは「自身/親が逝去後の住まいの処分について(62.3%)」で、決断ではなく 情報共有 から始まる例が多いことがうかがえます。
3. 第三者の情報を使う
新聞記事・自治体の空き家対策パンフレット・テレビ番組などをきっかけにすると、家族間の直接的な議論にならずに済みます。「この間こんな記事を見たんだけど」と切り出すだけでも、十分に話の入り口になります。
サントの現場視点 — 「材料を先に揃える」のが家族会議を楽にする
私たちサントへ実家のご相談をいただく方の多くが、最初の段階で「親が元気なうちに少しでも話せておけばよかった」とおっしゃいます。一方で、「話し合いの場で具体的な数字がなくて、結局その日は何も決まらなかった」というご相談もよく伺います。
そこでサントでは、ご家族で話し合いを始める前の段階でも、現況査定や活用イメージの提示 を行っています。査定結果は最短即日〜3日でお伝えしており、家族会議の前に「概算の売却価格」「賃貸活用した場合の収支イメージ」など、判断材料を手元に揃えていただきやすい体制です。
また、サントは大阪・東大阪エリアを中心に 買取再販を主軸 にしており、グループ会社のサントプラスで遺品整理、自社で解体まで対応できるため、屋内残置物がそのままの状態でもご相談いただけます。「親世代の片付け負担が心配で話を切り出しにくい」というケースでも、ワンストップで選択肢をご提示できるため、ご家族の合意形成がしやすくなったという声を多くいただいています。
話し合いは「1回で結論」を目指さなくて大丈夫
調査結果から見えるもう一つの傾向は、「話し合いが1回で結論に至らなくても、その後の動きが大きく変わる」という点です。
1回目: 全体像を共有する(「将来どうしていきたい?」)
数か月後: 具体的な選択肢を話す(売却/賃貸/活用/維持)
半年〜1年後: 必要書類の所在を確認する(登記・固定資産税納付書など)
このように 段階を分けて進めるのが現実的 で、複数回に分けて話し合った家庭の方が、最終的に納得感のある合意に至っているケースが多いと報告されています。
話し合いの「材料」を先に揃えておくとスムーズ
切り出せても、具体的な数字や選択肢がないと話が空回りしがちです。次のような情報を事前に揃えておくと、家族会議が進めやすくなります。
物件の概算査定額(不動産会社の無料査定で取得可能)
固定資産税の納付額(納付書を確認)
登記簿の現状(法務局のオンライン請求で取得可能)
自治体の空き家活用補助金の情報(各自治体の公式サイト)
これらは「親御さんに聞かなくても、ご自身で集められる情報」です。先に揃えておくと、話し合いの場で「こんな選択肢もあるよ」と具体的に共有できます。
まとめ
民間調査では、相続・実家について話し合っている家庭は 2〜3割程度 にとどまる
話し合いのきっかけになった3つの場面は ご自身の住まい購入・親族の相続・親御さんの体調変化
切り出し方のコツは 自分の体験から/「決める」より「知る」/第三者情報の活用
1回で結論を出さず、段階を分けて進めるのが現実的
査定額や納税額などの判断材料は、先に揃えておくと話し合いがスムーズに進む
「話し合いを始めること」自体が、その後の選択肢の質を大きく広げます。お住まいの地域や物件の状況に応じた具体的な材料が必要な場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
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