「相続した実家を持っているが、今後、空き家関連の制度はどう変わるのか」
「2024年から相続登記が義務化になったけれど、他にも知っておくべき変化はあるのか?」
「2030年に向けて、うちの実家はどう扱われるのか」
相続で実家を持たれたご家族から、こうしたお声を伺います。空き家問題は、法制度と自治体対応が段階的に整えられている過渡期にあります。2023年住宅・土地統計調査で 空き家900万戸を突破 し、国は2030年に向けて具体的な削減目標を掲げています。
この記事では、持ち主のご家族が今から知っておきたい 4つの動き を、公的統計と法制度の観点でご紹介します。
まず結論として|2030年までに知っておきたい4つの動き
先に要点を4つ整理します。
- 空き家900万戸突破:2023年統計で過去最多。空き家率13.8%
- 国の目標「70万戸抑制」:2030年までに「その他空き家」を抑制する数値目標
- 管理不全空家の新設(2023年12月改正):固定資産税の住宅用地特例が解除される可能性
- 相続登記の義務化(2024年4月):3年以内の登記申請、過料10万円のリスク
順にご紹介します。
①2023年調査が示す空き家のいま
総務省統計局の 「令和5年住宅・土地統計調査」 によれば、全国の空き家状況は次のとおりです。
| 項目 | 2023年(令和5年) | 2018年からの変化 |
|---|---|---|
| 総住宅数 | 6,504万戸 | +261万戸 |
| 空き家数(全体) | 900万2千戸(過去最多) | +51万戸 |
| 空き家率(全体) | 13.8%(過去最高) | +0.2ポイント |
| 「その他空き家」 | 385万6千戸 | +36万戸 |
特に注目したいのが 「その他空き家」の増加 です。「その他空き家」は賃貸・売却用や別荘を除く、いわゆる 「持ち主が誰にも貸さず、売らずに保有している空き家」。相続後に放置されがちなご実家の多くがここに含まれます。
大阪府の状況|空き家率14.2%(全国34位)
大阪府の空き家率は 14.2%(全国34位)。全国平均をやや上回る水準です。空き家数は約74万戸で、東大阪・八尾・大阪市を含む府東部エリアでも、相続後の空き家が増えている状況が見られます。
②なぜ空き家のままにされているのか
国土交通省の空き家所有者実態調査によれば、空き家にしておく理由の1位は 「物置として必要」の60.3%。多くのご家族は積極的に保有を選んでいるわけではなく、判断を先送りしている状態にあります。
これらの理由の共通点は、「今すぐ何かする理由がない」 という消極的な現状維持です。この構造的な先送りが、統計上の空き家増加に反映されています。
③2030年に向けた国の目標|70万戸抑制というギャップ
国土交通省の住宅政策では、2030年までに「その他空き家」の増加を 70万戸抑制 するという目標が掲げられています。この数字は次のように読めます。
- 放置すると:現在の増加トレンド(5年で+36万戸)が続けば、2030年に「その他空き家」は500万戸を超える可能性
- 抑制シナリオ:70万戸を減らす、または増加を止めるための施策を集中投入
- 目標達成の鍵:管理不全空家の指定、相続登記の義務化、税制優遇(3,000万円控除)等の政策
この「70万戸」を目標達成させるため、持ち主のご家族に 「保有し続けるか、売却するか」 の判断を促す政策が、2020年代後半にかけて次々と施行されている状況です。
④空家特措法の制定から、管理不全空家の新設まで
空き家に関する法制度は、2014年の空家等対策特別措置法制定以降、段階的に強化されています。
- 2014年:空家等対策特別措置法制定。「特定空家」の指定で住宅用地特例が解除
- 2023年12月改正:「管理不全空家」の新設。特定空家の一歩手前でも住宅用地特例が解除される可能性
| 区分 | 状態 | 住宅用地特例 |
|---|---|---|
| 特定空家 | 倒壊・衛生・景観・治安に著しい影響 | 勧告で解除(最大6倍) |
| 管理不全空家(2023年新設) | 放置すれば特定空家になるおそれ | 勧告で解除される場合あり |
これまで「特定空家に指定されなければ大丈夫」だった感覚は、2023年12月以降 「管理不全空家にも指定されない状態を維持する」 にレベルアップしています。ご家族側でできる予防策(草刈り、外周点検、通風・通水)が、今まで以上に重要になっています。
⑤2024年4月から相続登記も義務化
不動産登記法の改正で、2024年4月から 相続登記が義務化 されました。
- 相続を知った日から 3年以内 の登記申請
- 正当な理由なく怠ると 10万円以下の過料
- 過去の相続も対象、多くのご家族で 2027年3月末 までに登記必要
登記を放置していると、売却も相続放棄もできず、期限経過で過料のリスクが生じます。空き家対策の観点から、国は「所有者を明確にする」ことで、次の判断(売る/貸す/保有)を促す方向に舵を切っています。
⑥自治体の体制と民間との連携|6割超がマンパワー不足
国交省の調査によれば、空き家対策を担当する自治体の 6割超 が「マンパワー不足」と回答しています。この状況下で、自治体は次のような対応を進めています。
- 民間事業者(不動産業者・NPO)との連携協定
- 空き家バンク・マッチング制度の整備
- 解体・改修への補助金の充実
- 相談窓口の設置と電話・オンライン相談の拡充
ご家族側からも、これらの窓口を積極的に活用されると、行政手続きがスムーズに進みます。東大阪市・八尾市・大阪市でも、それぞれ空き家相談窓口・補助金制度が整備されています。
持ち主のご家族が今から知っておきたい3つのこと
ここまでの4つの動きを踏まえて、ご家族が今から知っておくとよい3つのポイントをご紹介します。
1|相続登記の期限(2027年3月末)を意識する
相続登記義務化により、多くのご家族で 2027年3月末 までに登記が必要となります。売却をご検討中でしたら、まず登記から進めるのがスムーズです。「登記だけしておく」ことも、後に売却・賃貸の道を残す選択となります。
2|空き家3,000万円特別控除の期限(2027年12月末)を意識する
相続した実家の売却で最大約609万円の税負担を減らせる特例です。期限は2027年12月末まで。売却完了までのスケジュール(3〜6か月)を逆算すると、2027年の夏頃までには売却スタートが必要となります。
3|管理不全空家指定を予防する
草刈り、外周点検、通風・通水など、年数万円の予防コストで指定リスクを大幅に下げられます。「まだ大丈夫」と感じていても、ご近所からの通報がきっかけで自治体が対応に進むこともあります。定期的な管理を継続されるのが最大の予防策です。
サント(東大阪・八尾・大阪市)が対応できる進め方
株式会社サントは、大阪府東部を中心に空き家の買取・再販を行ってきました。2030年に向けた法制度変化に対応し、次のような窓口業務をご提供しております。
- 相続登記の司法書士連携(登記〜売却まで一貫)
- 管理不全空家指定の予防アドバイス
- 3,000万円控除の要件確認(税理士連携)
- 現況のままでの買取査定
- 東大阪・八尾・大阪市の補助金活用のご案内
- 狭小地・底地・借家人付き物件の個別相談
よくあるご質問|FAQ
Q1. 「その他空き家」と「特定空家」「管理不全空家」は何が違いますか?
それぞれ次のとおり異なります:
その他空き家:住宅・土地統計上の分類(賃貸・売却用・別荘以外の空き家、判定は所有者の自己申告)
特定空家:空家法上の指定(倒壊・衛生・景観・治安に著しい影響、勧告で税額最大6倍)
管理不全空家:空家法上の指定(2023年12月新設、特定空家の一歩手前)
統計上「その他空き家」に該当していても、法律上の指定を受けていなければ税額への影響はありません。ただし放置し続けると、管理不全空家に指定される可能性が高くなります。
Q2. 「管理不全空家」に指定されると、いつから固定資産税が上がりますか?
指定と同時ではありません。指定 → 助言・指導 → 改善が進まない場合の勧告 → 勧告翌年度から住宅用地特例解除 の流れです。助言・指導の段階で改善に応じれば、税額への影響は発生しません。連絡が入った時点で迅速に対応されると、税額増を回避できます。
Q3. 2030年までに、期限が決まっている制度はありますか?
主なものは次の2つです:
空き家3,000万円特別控除:2027年12月31日までの譲渡が対象
相続登記義務化:過去の相続分は2027年3月31日までに登記
いずれも 2027年3月・12月 がキーとなります。売却をご検討でしたら、2027年前半のスタートが余裕を持ったスケジュールとなります。
Q4. 政府が「空き家をどうしろ」と強制することはありますか?
強制は極めて限定的です。特定空家・管理不全空家に指定されたとしても、まず助言・指導、次に勧告と段階を踏みます。それでも改善されない場合に 行政代執行(自治体が解体費を立て替えて撤去、費用は所有者に請求)が最終手段となりますが、実務では極めて稀です。むしろ、経済的インセンティブ(税制優遇、補助金)で持ち主の判断を促す方向が主流です。
Q5. 大阪府の空き家率は今後どうなりますか?
大阪府の空き家率は、2018年から2023年で緩やかに上昇しています。特に大阪府東部(東大阪・八尾)は、木造戸建てが多いエリアで、相続後の空き家増加が続く見込みです。2030年に向けて、府・市とも空き家対策の予算を拡充しており、補助金・相談窓口の整備が進んでいます。
まとめ|2030年に向けた4つの動きを知っておく
空き家対策の4つの動きを振り返ります。
- 空き家900万戸突破:2023年統計、過去最多
- 国の目標「70万戸抑制」:2030年までの数値目標
- 管理不全空家の新設:住宅用地特例の解除リスク
- 相続登記の義務化:2027年3月末までに、過料10万円リスク
持ち主のご家族が今からできる3つの備えは、①相続登記の期限意識、②3,000万円控除の期限意識、③管理不全空家の予防です。無料の査定と情報収集から始められると、次の判断がしやすくなります。
東大阪・八尾・大阪市で空き家対策を検討される方へ
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